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晴れのち曇り 雨 みぞれ

空のほんとは
どの日でしょうか

わたしたちには
空を知るすべが少なくて
たまたま覗いたその日の空を
強くこころに
留めがち
です


吹雪  ....
蒼く枯れるまで傍にいて下さい

たなびく煙に ほそめるひとみは
可憐な強さを{ルビ匿=かくま}って
夜風に つめは うるおいながら
{ルビ狡猾=こうかつ}な よわさに長けてゆきます

そ ....
飛ばない鳥がいたとして
飛べない鳥はいないでしょう
それとも
逆の語りの方がお肌に合いますか

ひとつ許せば
色は濃く
ひとつ拒めば
尚更に濃く
それが
青というものです
さきほ ....
うやむやに熔けてしまっていませんか
その夕暮れに

指揮棒に従うことで
いくつの雑音を聞かずに済みましたか


なつかしい歌たちに包まれたい日があります
拒みたい日もあります

 ....
宛てたい心があります

傍目には
いまさらでしょうが
いいえ
いまだからこそ

伝えたいことは簡単なのに
前置きが長すぎて
床に散る便箋は増えるばかり
傍目には
綺麗な足元か ....
覚えていますか あの国道を


場所のことではなく
名前のことではなく
もう二度と通ることのない
あの
国道のことです


向日葵の頃には
とても眩しいものでした
容赦のない陽 ....
暑い日だった


目覚めのベッドは僕のにおいで湿ってた


喉がカラカラだった

コップの水をかるく舐めたら

少し、ぬるい



鏡に映るはだかのおとこ


汗 ....
{引用=

一、漕ぎゆく者へ


  明るいうたは明るくうたおう
  明るくないうたも明るくうたおう
  そうすれば
  必ず
  いつかどこかが壊れてゆくよ
  治すというのはそ ....
豊かなくにの人々は選り好みをする
もともとは貧しかったものだから
それを遠い昔に捨てるため
それとともに
薄れてしまったものが在ることを気付きもせず
豊かなくにの人々は



ある気 ....
   {引用=   地球は絶えずまわり続けて
   そのうえに
   わたしたちは絶えず揺れている}




或るおとこの背広が
夜風に揺れている
その内側では
同様にネクタイも ....
{引用=一、くじらヶ丘


 口に出してごらん
 うるおい、と
 その
 やわらかな響きは
 途方もなくひろい海の
 すみからすみまで
 満ち満ちてゆくようなものではない

 干 ....
あの頃は
生まれたばかりの気分でいたけれど
あの頃の僕は
生まれてさえいなかったのだと
思う

もしかすると
こんな僕も
未だ知らないところで同じように
恥ずかしそうに
解ける ....
吐息に曇る夜の硝子に
時計の文字盤は
逆行をみせて
捨てた指輪の光沢の
おぼろな記憶さながらに
銀河の揺らめく
午前零時


涸れてしまう代わりに涙は
こぼれる理由を失ってしま ....
空のいろには 届くはずもなく
だからこそ
仕方のないほどに
空のいろを 
瞳に宿しながら
きりんは ゆっくり緑を{ルビ咀嚼=そしゃく}している

その
長い長い首の得る高さは
 ....
この路地裏の
アスファルトのひび割れは
どこかの埠頭の 
それと 
似ている

相槌を打ってもらえる筈が
ここにあるのは
頬を刺す風



見上げる雲の隙間から
一筋の光が降 ....
いつものように
午後をあらいながら
うつむき加減に 軽く
雲行きを確かめる
それもまた いつもの事だけれど
その
始まりの日を憶えていない


寒暖の差を道として 風は渡る
よ ....
初夏の陽射しは 便りを運ぶ

宛名も消印も
差出人も
見当たらないけれど
懐かしさという
こころもとない手触りに
わたしは ゆっくり目を閉じて
紫陽花のさざなみに
いだかれる
 ....
絹のような 抗いがたい量感に
涙さえも濡れてゆく


霧とよぶには 重たく
雨とよぶには 軽く
そこはかとなく
命名を拒むような
その 結界に包まれて
記憶の軸も同様に
遠退い ....
矢継ぎ早に
新月は降り注ぎ
縫い針がまたひとつ
遠雷に濡れている


吟醸の名を濁さぬ盆は
薬指だけの浸りに あかるい焔を映し
無言の岸辺を満たすのは
衣擦れの波
鈴なりの
 ....
しずくのことは
一輪、
二輪、と数えあげたく
青空ならば頷いてくれるだろうか と
躍らせた髪


真昼の月の通い路と
銀色乗せた浅瀬の流れは
中空で いま
十字を結ぶ

か ....
自サイトにて開設していたコーナーのなかから抜粋。
※現在、このコーナーは廃止されています。

暇つぶしに御楽しみ頂ければ幸い。


【あいづち:相槌】
少なすぎれば怪訝に思われ、
 ....
僕のからだの内燃機関は
なにを動力にして
ここまで
走らせ続けてきたのだろう


西日はいつも眩しいね

僕の手が掘り出したいものの
手がかりを
きっと
西日は知っている
 ....
冷たい雪の降る夜に

わたしのからだは凍えてゆくから
わたしのからだは
小さくなる

わたしはわたしを抱き締める



冷たい雪の降る夜に

わたしのことを
わたしのほかに
 ....
頬を追い越してゆく風と
手招きをするような
まばゆい光

目指すべき方角は一つだと信じて疑わず
出口へと向かって
足を運んでいたつもりだった


不思議だね
振り返ることは敗北では ....
嘘つきだった君を剥がしてあげよう


昼間のシャツは
白すぎたんじゃないか
夕飯のサラダは
潔すぎたんじゃないか

嘘つきだった君を剥がしてあげよう



すべてを明け渡し ....
雲ひとつなく秋晴れの空

父の運転で越えていた峠も
いまならば
自分の運転で越えられる

アクセルの踏み加減でスピードを調節
ブレーキなんか踏まない
でも
思いの外カーブは厳しい ....
「す」よ、住め

「や」よ、住め


 す すめ、も   や すめ、も

 あたたかし。



「す」よ、澄め

「や」よ、澄め


 す すめ、も   や すめ、も
 ....
秋風が冷たくなってゆくのは
赤々と燃える炎を
鎮めるため

山から道へ
道から軒へ
軒から海へ
秋風は
休む間もなく吹きぬけてゆく
そうして
暦に目を留めた誰かが
山が燃え始める ....
なんにも無いところから
花が咲くわけなどないのに

私の目はいつも
開いた色しか見ていない
綺麗な色しか見ていない



いつのまに咲いたのか
どうやって咲いたのか
質問したなら ....
白鳥が飛来していた

初雪の予感漂う十月下旬
懐かしい湖面に
白鳥が飛来していた

渡りは
これから本格的になるのだろう
湖面には
ぽつりぽつりと
数えられるほどの小さな群れ
 ....
LEOさんの千波 一也さんおすすめリスト(201)
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