すべてのおすすめ
朝日影にふくまれた わたくしの陰影が
ありのままの白い骨格で
よるべなく
この家に嫁いで来たのです。

その
わたくしが、
わたくしであるが故に、
わたくしを焼べねばなりません。
そ ....
とおくみつめる

あの秒針の刻む音が
きこえるほどの しずけさで
あやしくぼんやりとした曇天に
にじむ光の粒子を
私も刻む
時のまなざしは熱かった
 始まりは、秋の縁側で
ぶらさがっ ....
かえるところがあるのならば、それでいい)


   お葬式

カラスが黒く はばたいて
おひとりですか、と
月へ笑う
いいえ
あたしは迷子です、と
黒く燃える
火へ手紙を焼べた
 ....
しらけた草とは
うらはらに
澄んだ大気に
映る青
ますます薫る陽の光

からだの温もりをなぜてゆく
すずやかな風へ
ひとつ鼻歌のせたみち
  雲

あんまり空が
低いので
私は泣いて みたのです

いいえ私は泣きません
ひとつも涙は零れません
とけてゆかない成分だから。


  ひとり

あなたをきずつけぬよう ....
星明りの瞬く夜道を
皮ふと同化している
水晶時計の周波数と歩む
果てしない さようなら の骨格が、ひんやりうずく
しろく曲線にそった静寂(銀のしずく
の波紋)の右旋性が
夜風にとじられたま ....
西日の{ルビ紅=くれない}に照らされた
誰もいない部屋の
あの日は永遠に暮れずに
私を傾きつづけて

太陽電池式腕時計の刻みつづける
秒針の先にひっかかっている
スープに影はささないでい ....
わたくしは、
そ知らぬ仕種で
かおる紅茶をなめる。
風に頁がめくれようとも
見果てぬ大空が翻ろうとも
わたくしは、
そ知らぬ
今日に
ほころび
いつかあえる
光子の微笑む
丘の上 ....
胎動している不在の影が
失われた地平線となって
私を回帰線で立ち尽くしている)
影がずれて
光が砕けて群生していた

三十七度強の熱帯の白日夢で
黒いドレスの少女が祈っている
その瞳は ....
果して
愛は
枯れないだろうか

愛はいのちを生かす
愛はすべてに宿っている
愛は忘れ去られることはない

しかし果して
愛は
死なないだろうか?

木の葉が光をみつめている
 ....
針のあなに
糸をとおす
磨硝子からにじむ
光のあわい
しずけさ
のおくのほうから声がする

……わはわをたまわる)

柔軟にしなう
わたしの呼吸をなぞるのは
失われた かなしみ
 ....
   光を

真昼の太陽を 目に映す
視界は暗くなり
ただ一点太陽だけが白く浮かびあがる
そこから
視線を外すと
しばし辺りは暗転して
浮遊する幻覚となってしまった
私は
みずから ....
遠い視線につらぬかれた夢のゆらぎに
ことりのさえずるこもれ日がそよぐ

おおきなまなこの
星夜のような瞳が
瞬きはせずに
宙をみつめている
しろい肌には
翼がしずかに舞いおりていた
 ....
ある朝に、新宿駅東口で待っている

(白くうずくまっている 無音の質量を
回転している(絶叫をとおりこした)声が
雨 のおくへと響いていく

来るのかしら
(いつ?)
遠くはるか遠く
 ....
ちらちら舞う舞う
ゆきのこそのこ
あすふく風の そよぐ黒髪

かえるまい
いや
かえろうか
真白な空の
冷たい熱の 鳴く結晶

あやす涙を
すくいとり
手紙にそえて
あすへ飛 ....
いつくしむ
いつくしむということを
忘れ去ってしまったならば
それは つながりのもつ距離が
不鮮明にとまどっているの
けれど立ち止るな
そこは業火の唸る 底無しの淵だ

それでも振りか ....
それから(あ…

涙のさめる速度で
失ってゆく
かつての海原へ
予感する視線がまっすぐ立ち
地軸のかたむきをなぞる
そっと
(夢を瞳の奥に燃やしている核心
のぼっていった少しばかりの ....
青くかわいた微笑が枯れている
丸められた角を
階段とする
素数が熱せられながら
現象をのぼっていく

さようならは一度きりであって
すがすがしい光ならば
いつであろうともやわらかく待っ ....
ふりしきる雨
雨してしまう
雨の
冷たい
季節
星夜

さく{ルビ夜=や}




影もなく
灯る
灯台の夜が
流体にひそみ
その吐息にふれれば
はち切れて ....
「最初で最後の、黙礼を交す」



いまはむかし
(この{ルビ宇宙=そら}もなかったころ)
それは無としかいいようのない、事象でした
そんな折に私は、
星占いをゆめゆめ零さぬようにと、 ....
ひとりきりで終りはないと真空で泡立つの
そんな風に青く生らないで
わたくしのけじめ


まるい樹木で虚実は木霊している
朝日のもとを{ルビ死霊=しれい}が
破邪をささやき帰還してゆく
 ....
また会いましょう)


その黒髪の薫りは
つげの櫛に波立つ海原であった
その深海にひそむつめたさのかたちに
ささえられている波が
{ルビ風色=ふうしょく}の移行を生んでいた
静まったか ....
ある季節の終りに
風鈴が
まぶしくゆれていた

わたしは 風へ帰れるだろうか
いつの日か
空で回旋する球形の庭園に
立ちよることが出来るのか
ゆれることと立ち尽すこと
そして、歩いた ....
ほほを桜色に染めた
小町娘が夜道をすっすーと横切って

午前零時の散歩
{ルビ映日果=いちじく}の葉に反射する
コウモリの声
超音波時計に刻まれた
わたしは悲しみに冷静でいたつもりだった ....
指先で爪
らしい
爪 らしく
きちり

、血のうずく)。不安定な水晶時計(、
の公転にはなじまないけれど
今日のような雨天では
暗雲にさらされて
爪を)紅くぬる

さっと泳ぐのは ....
空虚な腹部で
命と鳴いている
今日は夏だ
われんばかりの空だ
あぁ、こぼれてゆく

大地の精霊を
宿す
からだは
青空のもとで響く
首すじに光る雫を
ハンカチーフにすっと吸わせる ....
 は、真空の一点で凝縮し続ける無言する{ルビ性=さが}である。



仄暗い
道を歩いていると
星雲を繁茂する
一角で
ぽっかりとあいた
湿っている暗闇が
{ルビ濃紫=こむらさき} ....
   {ルビ異花=ことはな}の{ルビ雲夜=くもよ}にしんわりんと咲き


翼よ
きみはなぜ
はたたくのか
熱く青くはためくからだ
その空間を根幹となし
風の性霊を動力とするためか
花 ....
初めての海で
吸いこんだ
風のにおいはふるさとのようで
わたくしは、ただ
何万年も佇んでいたような砂浜の印象へ
飛びこんで
いまこの波の揺らぎに没しようと

荒れんばかりの幾多の波の
 ....
とどかなかった、星の下
遠雷の近づいてくる夕べ
雲がますます色をなくし
このからだの重さに形をなくし
響くのは指先の細くなぞる唇の遠い約束
の紅さ
ずっと忘れずにいたのは
鮮やかに流れて ....
LEOさんのこしごえさんおすすめリスト(116)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
薪_(たきぎ)- こしごえ自由詩26*07-6-6
時雨れる少女- こしごえ自由詩28*07-4-4
故郷における影- こしごえ自由詩33*07-3-30
はなうたこみち- こしごえ自由詩10*07-3-19
かなしみ- こしごえ自由詩34*07-3-19
一輪挿し- こしごえ自由詩19*07-3-8
翳り_(かげり)- こしごえ自由詩21*07-3-3
月とあおい春- こしごえ自由詩16*07-2-27
鬼の園_〜サイレント〜- こしごえ自由詩9*07-2-25
果して愛は・・・- こしごえ自由詩16*07-2-21
おはり- こしごえ自由詩21*07-2-20
光を- こしごえ自由詩16*07-2-2
スワローテールの恋- こしごえ自由詩17*07-1-27
れいうとわたし- こしごえ自由詩16*07-1-17
小雪(こゆき)- こしごえ自由詩12*07-1-10
群青を連れて- こしごえ自由詩27*06-12-24
流舞結晶_〜冬のクジラとさいかい〜- こしごえ自由詩26*06-12-10
その雪原- こしごえ自由詩17*06-11-25
鮏_(さけ)- こしごえ自由詩19*06-11-20
星と礼- こしごえ自由詩20*06-11-2
こんにちは、望郷- こしごえ自由詩14*06-10-12
(変転する、)黒髪- こしごえ自由詩17*06-10-5
孤影の鳥- こしごえ自由詩15*06-9-28
刹那の星- こしごえ自由詩17*06-9-20
再生- こしごえ自由詩16*06-9-10
蝉の日- こしごえ自由詩17*06-8-18
無声- こしごえ自由詩18*06-7-24
雲路- こしごえ自由詩17*06-7-18
ひとり暮し- こしごえ自由詩15*06-7-10
雷鳴の個人- こしごえ自由詩20*06-6-24

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 
すべてのおすすめを表示する
推薦者と被推薦者を反転する