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(美しく生まれたかったと
 思ったこともありました)


ある日
一羽のチョウが迷い込んできて
羽を持って生まれてきた生き物は
そんなふうに飛ぶのが
当然なのだというように
ゆら ....
春の気配を漂わせても
外はまだモノトーンの景色

窓辺
揺れる裸の枝先の
まだ開かぬつぼみ

食卓を飾る赤は
花瓶に押し込められた薔薇
生気のない色はイミテーション
ならばまだ ....
その線の流れは
いくつもの分かれ道があっても
不思議とまっすぐに見える

迷い間違えながら歩いているようでもそれが
過去となれば運命と名づけられるからなのか

生まれながらにして刻ま ....
何処でもない場所は
何処にもない場所ではなくて
そこには一輪の花が咲いています

それはとても美しく咲いていて
なかなか近づくこともできなくて

あるとき鳥が一羽やってきて言いました ....
「積み木」(1)   


積み木積んで積んだ高さに驚いて
積み木積めば積むほど寂しくて

(きっかけなんてゆうものは
 ほんのささいなものだから
 一番下のどれか一個引き抜けば
 ....
かた目をつむってご覧なさい

指先に抱えた透明を
明るさに透かして見えるのは
ある日の空や海だったり
はたまた宇宙のように綺麗でしょう

その水結晶の輝きは
確かにあなたの瞳の薄い ....
「西高東低の気圧配置はしばらく続くでしょう」と
天気予報のお姉さんが
カメラ目線でうったえている

僕はコートを羽織って
襟のホックを上手くかけられないまま
仕事へ行こうと玄関へ向 ....
海はこんなに広いのに
もう何でも知っているような顔をしてる

マンボウ
君はいつもゆっくり泳いでいて
ぼーっとしているようでも
その瞳はやさしい

君のように泳げたらと
とき ....
薄曇の昼下がり

住宅街の静けさは重苦しい
声をからして叫んでも
余計に淋しくなるからやめておこう

無表情に時を告げる時計
窓の外には音もなく揺れる小枝
こんな日でも世界は動 ....
胎児のような寝相も
遠い記憶のせいだとか

僕はひざを抱えて眠る

それが一番楽な姿勢なんだよ
間接がすっきりおさまって
頭からつま先までが一つになる

そう 一個の人間にな ....
降りつづく雨は涙であるという
土をさらい根をあらわにして
僕の虚勢を暴いてゆく

両手を広げれば
僕はまるで木のようであるのに
こんなにも簡単に倒れてしまう

水溜まりには
強が ....
あの海になろう
あの森になろう

さかなたちのいる
けものたちのいる
いのちのある
かつて私を生み出した

波をうねらせ
梢をゆらす

力強く
両手をひろげ
すべてを抱 ....
「僕」という種をまいた

「僕」が芽を出して
 高く広く枝をのばし
 深く遠く根をはって

 空からも大地からも
 みんなを見守れるように願った


「僕」という種をまいた
 ....
(不器用であることは

 罪ではありません)


林檎の皮をどれだけ長くむけるだろうかと
無邪気にはしゃいでいた頃に

途切れてしまった命はいくつ
あの赤い肌をすべっていった ....
塾の講師になって二年

はじめから
教えられることなど
何一つなかったのかもしれない

今日も一人の生徒が
僕のもとを去ってゆく
「高校へ行ったら、此処へは戻ってくるな ....
それは
ただ真っ白なノートのようで
けれど
不思議に美しいノートでした


その場限りの言葉では
跡を残すことさえできない
そんなノートでしたが

熱い言葉なら
焼きつけるこ ....
ほら、あんなにさがしていた空が
ここにはたくさんあるじゃないか

気まぐれな
ときにはどしゃぶりで泣きついて
ときにはからっとした笑顔をくれる


ほら、あんなにさがしていた空が
 ....
ごらん
きょうも
きらきらと
ゆきがふっている

まどガラス
いちまいをはさんで
そとはさぞさむいだろうに
それがうつくしくかんじられるのは
ぼくがうちがわでながめているからだろう
 ....
星の言葉 降る降る
空の端から

投げかけられた 放物線
かすめていったひとかけら
こぼれて描いた その軌跡

ほんの少しを呼吸して
小さな夢を叶えるために
届くといいな 流 ....
鉢にペチュニアの種をまきました

とても とても 小さな粒で
「大丈夫かしら」と心配なくらいで

でも
僕にはどうすることもできないのです

僕が種をまかなかったら
けして咲くこ ....
病院の古い長椅子は
もうすっかりガタがきて
座るとギシギシと
独り言でも言ってるみたいだ

そこにはいつも
お爺さんやお婆さんが座るから
僕はめったに座らないのだけど
ちょっと興味があ ....
(クスリをください)


銀のアルミの包みを破き
白い錠剤のそれを飲む
それは良く眠れるためのクスリ

他にも
不安にならないためのクスリや
落ち着くためのクスリや
発作を押さ ....
それだけの出来事に日々は満たされていて
それは小さいこともあり大きいこともある

それでも、それだけの出来事は
その人にとっては重大な出来事なのだと
そのことに気づくことはとても難しい

 ....
先生、あたし気がつくとコンパスの針で手を刺しているの
ぽつんぽつんと赤い点が、やがて一本の線になるまで

先生、あたしその血を舐めると少しだけ安心できるの
一瞬の痛みがはしるたびに、何処かの記憶が ....
半分の月を見ていた

半分の月を見ながら
僕は半分だけ眠りにおちて
残りの半分は現実にとどまった

半分の夢の中では
浜辺に立った自分が
遠くの景色を見つめていた

半分の月を ....
ある日
「生きることは汚れてゆくことだ」と
あなたは言いましたね
その言葉の意味が分からなくて
僕は不安になりました

またある日
「人の心はダイヤの原石のようだ」と
あなた ....
退屈が僕を殺す

単純なことほど難しく
複雑なことは解らない

無器用なことを言い訳にしながら
今、退屈が僕を殺そうとしている

出来ることと出来ないことの境目には
いつも壁があるか ....
疲れたようにうずくまる
動物園のダチョウは堅い地面に佇んで
見渡すことのできない世界で
それでも何かを見つめている

鉄の柵は頑丈で
あっちとこっちを隔てているけれど
本当に隔離され ....
ときどき僕は、まだ羊水の中で
少し離れた場所から聞こえる声に
そっと耳を澄ませている気がする

それはまるで子守り唄のようで
鼓膜を揺らすほどでもない
優しさを持っている


と ....
地上へ向かう木の葉が見せる
一瞬の華やかさ


揺らぎ


心の根幹は
頑丈にできているけれど
心の枝先は
いつも何かにあおられている

言葉が
木の葉のように舞い落 ....
LEOさんのベンジャミンさんおすすめリスト(138)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
「チョウ」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩10*07-3-9
薔薇と心臓- ベンジャ ...自由詩5*07-3-7
「手のひらの地図」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩3*07-3-6
「何処でもない場所」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-3-4
「積み木」_(5作品)- ベンジャ ...自由詩6*07-3-2
「ビー玉」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩7*07-2-28
「北風が吹いている」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩9*07-2-25
「おしえてマンボウ」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩6*07-2-22
「だって僕はここにいる」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-2-20
「からだの記憶」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩5*07-2-17
「そんな生き方」_(青年詩片)- ベンジャ ...自由詩9*07-2-14
「憧憬」- ベンジャ ...自由詩7*07-2-12
「僕」という種をまいた- ベンジャ ...自由詩6*07-2-9
「林檎」- ベンジャ ...自由詩3*07-2-8
「ありがとう」と言わせない- ベンジャ ...自由詩11*07-2-6
「こころ」_(あなたへ)- ベンジャ ...自由詩7*07-2-3
「空がある」_(子供達へ)- ベンジャ ...自由詩5*07-1-25
きらきらとゆきがふる- ベンジャ ...自由詩6*07-1-9
「星の言葉」- ベンジャ ...自由詩9*06-12-29
「ペチュニアの種をまきました」- ベンジャ ...自由詩5*06-12-22
「長椅子」- ベンジャ ...自由詩7*06-12-20
クスリをください- ベンジャ ...自由詩5*06-12-16
ただ、それだけの出来事- ベンジャ ...自由詩3*06-12-8
「自殺志願の子供たち」- ベンジャ ...自由詩9*06-11-27
半分の月を見ていた- ベンジャ ...自由詩13*06-11-15
「一粒のダイヤ」- ベンジャ ...自由詩7*06-10-31
「退屈が僕を殺す」- ベンジャ ...自由詩3*06-10-13
翼を持って生まれてきた- ベンジャ ...自由詩4*06-10-3
ときどき僕は、まだ羊水の中で- ベンジャ ...自由詩8*06-10-1
「揺らぎ」- ベンジャ ...自由詩10*06-9-20

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