すべてのおすすめ
誰にもおそわらないのに
赤を「あか」と感じたり
風を「かぜ」と感じたり
誰も教えてくれないことが多すぎる
生まれてきたのだ、ということも
きっとそうだ
記憶を移しただけで
生まれ ....
咳が止まらない
名前を呼ぼうとしても
むせてしまう
怪訝な顔をする
胸の真ん中にたまっている
科学雑誌でみた
火山の断面図のように
あかい、あかい
咳をするときは
いつも ....
{ルビ劔箭=つるぎや}神社からの
細い参道の坂道が好きだった
不思議な人体図がかけられた漢方薬局
古ぼけた占いの館
必ず救われる新興宗教の教会
日本で3番目に大きいという大仏
確かめようの ....
街角でポストが見張っている
僕は急いで携帯を隠す
桜の葉が、ぬるい風にざわめく
雨!
雨の予感だ
宛名のインクが溶けぬよう
ビニールのファイルに挟み込む
ビルディングに巻かれ ....
蝉の羽根は綺麗だね
落葉樹が真冬に
枝に張った
シャボンの虹色だ
大人になりたかったかい
ほんとうはずっと
いごこちの良いこの樹の根元で
ずっとずっと、すごしたかったろう
....
夜風をくれるひと
真昼の温もりがさめた後の
森の湿り気の冷たさ
ビル風が懐かしいとき
吐息のように
寄り添って
いつも真夜中を知るのは
まぶたを閉じる仕草
あちこちに仕掛けられた
....
右のポケットに
湿ったままのハンカチ
トイレのドライヤーで乾かして
にわかに水蒸気は生まれていくが
それは霧でもなく雲でもない
つまり、僕のポケットには
虹は入っていないという事
エ ....
臆病者だけが
乾いている
磁石のにおいの
ひどい穴ぐら
窓の外では
アスファルトが
黒曜石に濡らされている
仕切の向こうの笑い声が
うるさくてちょうどいい
そんな時刻 ....
ぬくもりだけを信じると
深呼吸できない、抱擁
信じて強くなれる
糸電話の決意
遠くでも近くでもない場所から
わざと小声でささやく
から、やさしい距離
保ち続けて
メールのない夜 ....
写真では思い出せる
ものがたりは忘れてしまった
楽しかったことの記憶だけ
振り返ることもなく
通過電車のあとを追う
錆びた風であれば
印画紙を風の色に染めて
完成する思い出
岩 ....
ひとりぼっちに
ならないように
鳴くことをおぼえた
あの日
どこまでも届けと
生まれてくる、こえ
書き付けられた
記憶ではなく
いま、あふれだす、こえ
ことばは、忘れないため ....
夜の街で闇をさがし
身を隠す暗がりにも
灯りを求めたりして
中途半端なままだね
いつもぼくらは
言葉の空白にふるえて
粋な単語たちをあつめ
草の実に糸を通すようにつ ....
ときめかせて
はなびらを解き放ち
冬別れの樹、予感
北風までもが人肌の温度
その飛ばす先の青空
気まぐれな季節は
いつも、ふいに帰ってくる
季節のない海の深みに
還っていくその前に ....
なにげなく息苦しくなる
自由に生きるとわがままで
いい人でいると酬われない
狭苦しい海だね、まるで
しおからいもので満たされて
泳ぐためにも浮くためにも
そして沈むためにも
抵抗や圧力が ....
風が吹き抜けるたびに
路地から空を見上げる
鳥の影、あの鳥がまた
飛び越えていくのかと
見上げた先の色は様々で
いつも、すぐ忘れてしまうから
黒い影だけは憶え続けるのか
鳥のかたちに ....
影を踏むように
引き留めても
すり抜けて
肌に服にはりつき
ぬぐいきれない汚れのように
透明でいとおしい
たんぽぽが
そこにあった、ということ
ロゼッタの刻印を
....
今日、世界が終わるとしても
教えないでいてください
怖いからではありません
やっぱりわたしは
明日の約束をしたい、あなたと
交わされることのない言葉
くちぐせのような夢 ....
合理的で清潔で、迷いがない
自由で無責任で、自己責任で排他的で恣意的で、有限で
科学的で哲学的で、宗教的な世界が私に指し示した絵画
時間は正確で、太陽の動きとは関係が無く、季節は曖昧
....
灯台の積層レンズから
ここにいる、と叫ぶ声は
遠くからは星
近くからは秒針
海霧に照らし出す
港という駅
造船所の大きなクレーンを
右手にみながら
故郷はいつも
思い出せない何か ....
色の名前を忘れていく
最初に忘れたのは
花の色を真昼の
それにする太陽
そして、ものまねの月
雨の色を忘れていく
濡れるものとそうでないもの
雲の内側では透明の
感傷にも似た
匂 ....
{注GEKKO=白黒写真印画紙「月光」}に浮かび上がる
曖昧な輝度信号
ほしおり はすぐそこに迫っていた
切り取られた夜空を
暗室の赤い光に積もらせ
あまりにも遠すぎて
おぼえきれない思い ....
規格品だ
たいせつなのは
精度を上げること
僕らは
マネキンの体温
段ボールの棺桶
まばたきを奪われ
生まれても
生まれていなくても
そのまま
立ち尽くすこと
美しいひとよ
....
走ることは
ほんのすこし
歩くより早いだけで
大地に触れる回数は
結局少なくなってしまう
走るということは
触れないということか
月はやっぱり見えなくなる
世界から消えようとす ....
闇の中で抱きしめる
体温だけを信じられるように
つまり、それはそう
あなたを想うだけで
私はどんな場所でも
世界の果てにすることができる
孤独は誰かを欲しいと感じる気圧
星だっていつ ....
道の先をいつしか
岬と呼ぶのでしょうと
白い幾万もの手が
砕けては戻っていく
届かない場所に
北端という称号を与えて
みんな満足して
羅針盤の声を人は夢に見るのです
根無 ....
名前を呼ぼうとして
ことばに拒絶される
あなたのくちびるなのです
だきしめたいのは
いえ、むしろ
ことばでは居られないから
そばにいて感じたい
あなたのおこす幽かな風まで
....
カップ酒飲みながら描かれる似顔絵を横目に
不忍池にむかって階段を下りる
もう大阪焼きの屋台はなくて
飛べなくなったオオワシが
うずくまって水面を見つめている
上野には
飛ぶ空がないのだ ....
雪が来ないから だろうか
遠い対岸の君を思い出してしまう
風船のひもをつかむ かのように
手を繋ぎあった昼下がりのことも
雪虹を見た冷たい夕暮れも
私の影は黒いよね
青い光 ....
呆然としているだけで流れていくものを時と呼ぶな。わたしたちの
いちばん大きな乗り物は、生まれてきたときの速度を保とうとして
いるだけで、あなたの生き方とは関係がない。冒険せよ勇気を持っ
て自らの ....
手すりのない屋上で
そらをとりもどす、わたしがいる
{ルビ限界線=ちへい}に浮かぶ遠い筋雲の
気流の音に耳をすます
わたしがいる
まぶたの裏に
真昼の月を新月と焼き付け
まぼろしではない ....
LEOさんのたりぽん(大理 奔)さんおすすめリスト
(278)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
名はない、それでいい
-
たりぽん ...
自由詩
10*
07-5-16
罰を受けるかのように
-
たりぽん ...
自由詩
5
07-5-14
駅・石切
-
たりぽん ...
自由詩
13*
07-5-10
ポストのない街まで
-
たりぽん ...
自由詩
8*
07-5-8
シャボンの羽根で
-
たりぽん ...
自由詩
12
07-5-6
夜風、夜の風
-
たりぽん ...
自由詩
11
07-5-6
そのまま僕になっていく
-
たりぽん ...
自由詩
8*
07-4-30
雨を許すと濡れてしまう
-
たりぽん ...
自由詩
19
07-4-25
月への糸電話
-
たりぽん ...
自由詩
11
07-4-19
錆びた風を紡ぐときの浜辺で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-4-13
ひとりぼっちに、ならないように
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-4-4
夜のかたちのピッテロビアンコ
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-4-1
季節にとかして
-
たりぽん ...
自由詩
18*
07-3-30
月のように生まれることもなく
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-3-26
地下鉄十六番出口から
-
たりぽん ...
自由詩
13*
07-3-21
春の泥、にじんで
-
たりぽん ...
自由詩
16*
07-3-18
春は明日の約束
-
たりぽん ...
自由詩
15*
07-3-13
あなたは、地図の上では咲かないと
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-3-12
駅・函館
-
たりぽん ...
自由詩
10*
07-3-11
桜、わすれていく
-
たりぽん ...
自由詩
25*
07-3-3
ほしおりの、そのときに
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-2-28
ショーウィンドウ
-
たりぽん ...
自由詩
9*
07-2-25
それとも指輪の刻印で
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-2-21
握りしめる闇、ねじれた雨
-
たりぽん ...
自由詩
14*
07-2-17
羅針盤は故郷を知らない
-
たりぽん ...
自由詩
9*
07-2-12
旋回、なにかの輪郭のように
-
たりぽん ...
自由詩
14*
07-2-7
駅・上野__(79/07)
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-2-5
雪虹のワヤン
-
たりぽん ...
自由詩
12*
07-1-27
踊るとすれば輪舞、できれば砂漠の真ん中で
-
たりぽん ...
自由詩
15*
07-1-22
その日、屋上の扉があいていたんだ
-
たりぽん ...
自由詩
17*
07-1-18
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
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