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夕方まで盛んに降りしきっていた吹雪。部屋の床の上に転がっている、くしゃくしゃに丸められた、クズカゴの縁に跳ね返ってしまった。いくつもの紙クズ。それらに混じって、いつもよりもすこし早めに破り捨てた、今日 ....
{引用=
青い水面に溶けこんでいる。眩暈。逆さまになったふたりの不定形。ぼくらの身体はまるで揺らめく塔のように、どこまでもながく伸びてゆくように、その揺らぎをなんども繰りかえす。それは途方もなく長い ....
なみだ、
ぽろぽろと剥がれ落ちてゆく、
頑ななウロコの溶解、
あつい塩水が、
頬をつたうたび、
こころは、
飾らない、
まっさらな素裸になる、
なみだ、
かけがえのない、
....
{引用=
潤んでいる。日差し。君のその白い面持ち。夏のプールの青さを反映させながら、水面に浸かっている君の、まだ少しだけあどけなさを残した、その朱色のくちびる。水色の水鏡(みかがみ)にそっとくちづけ ....
{引用=
日々の蓄積された労働によって、もうすっかりとひび割れて、枯れきってしまった。そんな心の大地の奥底から少しずつ滲みでてくる、君という存在を知っている、ボクの中から生じられた、補おうとする水な ....
※
物事や心は常に無常、
けれども、
今には、
今の、
今がある、
※
向かい風、
飛び立とうとする飛行機の、
それは、逆方向から促す推進力、
必死に生きよ ....
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やさしいきみはあまやかな声の中に居た
水のせせらぎの癒しにも似た音色
きみは水で形成されたうつくしい水精(ナンフ)だった
ぼくはひとつの水槽の中に入るように きみのなかに熔けてゆ ....