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逆立ちしてもできるんだと
空に向かって股をひろげたその子は
倒れたあと少し悔しがり
今度は大の字になって
世界に向けて発信中と叫ぶ
その子は誰にでもピースする
やめなさいと言いたくなる ....
建築現場の鉄骨が
空の重さに耐えている
昼下がり
子供たちがホースで虹をつくる
二階のベランダから身を乗り出す猫
視線の先には
鳥が羽を休めている
鉄骨が発する低い唸り声が
体 ....
どこにもない慰めを
深い色にまぜてとかしてみたら
少し落ち着いたみたい
ぬくもりって
だんだんと冷めてゆくものだから
あたりまえに溜息なんてついてみる
琥珀色の鏡に
吸い ....
ため息を薄めた空気を吐き出せば
白くけむった現実が儚く揺れる
滅んでゆく世界が急激に収縮すると
必至にしがみつかなければ吸い込まれてしまう
その前に見えた
一瞬の閃光を書きとどめるた ....
みだれた髪が顔をくすぐるから のびきった髪にくしを通す
こんな日は心もみだれて仕方ないので
そんな気持ちを宥めるように ゆっくりと ゆっくりと 何度もくしを通す
くしにからまった髪は ....