コンサートの演目が残り少ないころにぼくは生まれた
終電の網棚にある週刊誌ほどには世間をしらずに
世の中にはどれだけの情報量が飛び交っているのだろう
量子コンピューターの時代に8ビットの
演 ....
その国が日本でも地球の反対側でも
病院でも監獄でも家が無くてもあっても
家族が殺されていても不審者の家族でも
寝たきりの家族がいても
もう生きてなくても
まだ生きてても
誕生日おめでとう
....
スイレンの
花びらそよぐ細い声
夜を徹してなくひとのこえ
残りゆく
季節の色にいまだけは
むらさきいろに染まれ黄昏
まっすぐに
真っ赤な薔薇を好きと云う
ほどの豪奢なこころ ....
秋とはいっても
今年の秋は
日替わりメニューで
夏を装い冬を装う
まるでド派手な
ファッション好きの女の子
じゃじゃ馬娘の
オテンバぶりに
つきあわされる人間たちは ....
ゆううつを
日々のふつうの感情と
想うこころに突き刺され、月
空よりも
胸に開いたポケットに
清い雲など詰めこみたい、秋
白い嘘、
吐いて近寄る悲しみを
知 ....
有線から流れる曲で
思い出してしまう
あなたのこと
好きなものを
嫌いになるのが
こんなにも難しいから
誰よりも素直に
涙が溢れてる
今夜の空は
私みたいな
半分に欠け ....
ひからびて
地面に寝そべっている
いまにも死にそうな
一本の草があった
昼は暑くて日影を欲し
夜は寒くて凍えそうな
笑えない、
希望がない、
生きることさえできな ....
なにも、持たなくてよいと信じた
さまよえるあのころ、コーラが好きだった
忘れられなくない絶望、でも忘れず
むねのおくに刻み込む、勇気と信じて
あすを夢見ない現実に ....
コロナ
コロナる
コロナれ
コロナれば
コロナります
コロナる時
コロナろう
コロナった
コロナるまい
令和3年の地球はコロナ禍で窮屈
コロナウィルスはヘンタイす ....
ちいさな、迷いの、
みえない、
硬い、戸惑いのプラスチックを、
決断の、とがらせた指さきで、
突きやぶって、
それから、送信の、まるで火災報知機のボタンを、
ほんとうに、
押してしまった ....
君があまりにも傾いた樹木として
僕に近づいて来たように視えたものだから
君の大きな瞳の奥の
二三の星の連れ子を伴った
密かに見え隠れする
もう一つの月の貌を受けいれる
現実という測り知れな ....
{引用=ふしあわせという名の猫がいる 寺山修司}
印象という名の椅子
音楽という名のハンモック
概念という名の少年
恐怖という名のカクテル
経済学と ....
家族だから、ですって
家族か否かって昔馴染みな軸だよね。
甘やかしてもらいあざーすです。
今日の月は電気みたいにピカピカ
お月様ははね 宇宙なんだ
君が言うから見上げてみる
眩しいなあ
今日の月
光が丸におさまりきれないよ
そうかぁ
ピンホールカメラなんだ
....
その木製の寝台はきっと
幾度もさびしい月夜と寒波を迎えつづけて来たがゆえ
あの月の桂と同様のものに変質してしまったに違いありません
その柔かな布団はとうとう彼女の豊かな乳房となって
ぼくという ....
友よ、
夏の朝は蝉の羽に描かれた透明な街路図
すべては透明に満ち足りている
夏の灼熱の陽光は
まるで新鮮な水かなにかのように拡がってゆく
辺りの建物の窓や街路樹の緑 色濃い花々に
輝きと潤 ....
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