ノートからすべり落ちた文字は
こな雪になって吹雪いている。居酒屋の軒先に。黒く光るマンホールの上に。
夢の中で何度帰っていったことか。同じ道を、アパートの廻廊を。
落ちた鳩を抱いて何度尋ねていっ ....
久しぶり
お元気?
私は、元気だよ。
山の上に引っ越したの。
木がザワザワして、
夜には獣が庭を荒らしにやってくる。

人を喜ばせる仕事をして、
疲れすぎちゃって、眠れなくて。

 ....
目詰まりしているって、手元のリモコンでは弄れないエアコンの空気が冷えきったままの部屋を行ったり来たりして、行ったり来たりして、ああ、そのままだ、リモコンでは掃除できない、手を伸ばして正しい掃除法を試す .... ○「男精力サプリ」
「折れがちな中高年の味方」
とあるが
本当に効くんだろうか
しかし
「じいちゃんがいきなり襲ってきた!
ばあちゃん悲鳴!」
でも困るし┅┅

○「自然体」
自然 ....
    現代詩百年の孤独


わたしのいきつけの書店ではもう何年も前から「現代詩手帖」なんか店頭在庫していない。現代詩はもう「お取り寄せ」の詩になってしまった

と嘆いたのは十年以上前のこと ....
夏の盛りの訪れに木製の扉が開かれ、庭は一面青い草や花々でうっそうとする むせかえるような夏の草の匂いがして女は如雨露でマリーゴールドや向日葵に水をやっている 軋轢都市の水位は上がり、樹で蜜を吸うように .... いぬを飼いたいな
でもいきてるいぬは
死なせてしまいそうで
かなしいし
かわいそうだな

だから
いぬの幽霊を飼いたいな
いぬの幽霊を飼ったら
最高の名前をつけて
毎晩おなじ布団で ....
{ルビ銀杏=いちょう}さざめくつめたい朝
靴を片方なくした人影を見た

暗幕の蝶も枯葉に埋もれ
くちびるにもうふれることはなく

寝息のように自転車は
静かに時計を回している

{ル ....
二〇二二年四月一日 「ホークスビル収容所」


 SF傑作選『ホークスビル収容所』を、ヤフオクで、送料込みで760円で落札。これで、しばらく本を買うのをやめるつもりだ。けれど、1冊、別のシリーズ ....
やみよのしじまが
うるさくひびく
うるさくひびいくては
わたしのけはいの
たいきけんにしんにゅうする
ほしなんてみたことないという
あなたに
ほしをみせてあげたいよるが
いくつもとおり ....
二〇二二年三月一日 「伊藤芳博さん」


 伊藤芳博さんから、散文集『考えたこと 1993~2022』を送っていただいた。お齢が近いせいか、共感するところがいくつもありました。 https:// ....
その嘴で、食らいついた、濡れ光る 光と影、
 その偶然が 拍動に 例えられるなら

アナタ方はまだサトウキビ畑で草を編んでいるのの。昆虫標本の街でも考えながら、代々木公園を降車するる。天国の弾み ....
はたらくというのは
はた(周囲)を楽にさせる
幸せの道だと
そんな綺麗事
こころにぜんぜんなにひとつ
染みなかったけれど

夕陽がただ沈んでゆく
この街のことは
好きだと ....
星がめぐり
私が歩いてきた
春夏秋冬の道もまた
夏から秋に移り
今は冬へと向かいつつある

めぐる
全てはめぐるのだ
季節も命も
ただ自然の法則の基に

始まりがあれば
必ず終 ....
苦しいが泣く程ではない
楽しいが笑う程ではない
ムカつくが怒る程ではないし
嬉しいが赦す程ではない

結果僕は
虫みたいな無表情で日々を暮らしているが

それは当然 ....
山積みしていた辞書が崩れてしまった
ので再構築しているというのに
何故か
今まで使っていた文字や概念が
見当たらないというか使用できない

再構築から抜け落ちたものが
あるのか無いのか
 ....
「おい、何をしている、盗賊。行くぞ!」
アイソニアの騎士が、重い背嚢を取り上げた。
それに従って、エイミノアも重い腰を上げる。
オーマルは、まるで人間ではないかのように平然としていた。

( ....
くちびるが薄い人は
冷たい心の持ち主だと
かつて好きだった人に云われたことがある

むろん私のくちびるは
薄い

でもそのくちびるから漏れる声は
好きだと云ってくれた
光り輝 ....
ぬかるみにまどろんだ
つきのはなしをしっているだろうか
雪はふりつづけ
ものがたりをせがんだこどもたちは
まだねむれずにいるというのに


わたしたちの王国のはなし
夜空をのみこん ....
再びの危機は去った。シーゲンサの群れはことごとく屠られた。
アイソニアの騎士、エイミノア、盗賊ヨラン。その思いは一つでも、
その思惑は、彼らそれぞれで異なっていた。あるいは、アイソニアの騎士は、
 ....
(予感は的中した)と、ヨランは思う。(もしや、エランドルは、
 このヨースマルテで誰もが魔法を使える世界を目指しているのでは?)
いやいや──そうではないかもしれない。ヨランは逡巡する。
(しか ....
砂の下から現れたシーゲンサが、一行を円で取り囲む。
先ほどのエビ・グレイムほど、シーゲンサは強力な敵ではない。
しかし、屠っても屠っても、シーゲンサは砂の中から現れた。
「きりがないな。こんな時 ....
思い出の染みや折り目が
ことばを詰まらせる

みんな突然いなくなるから
あの人を傷つけなかった

見つめあうだけで
失われる世界

冬は溶ける

春は散る

すれ違うたびに
 ....
あらゆる全部に値札がついて
かんたんに花をつむこともできない
ぴかぴかの看板を背負ってあるき
いちにち集めた小銭とひきかえに
やさしい、こまかい花を持ちかえる
世界はわたしを許したこ ....
世界が暗くなっている
車が通る、人が過ぎる
どんより曇った空模様、
細かい雨が降り始め

道にてアパートの隣人と出会います
彼女は親しげな笑顔浮かべ
手と手を宙で打ち合わせ
互いに挨拶 ....
大衆

リジン

穴熊
他者が誰も詩人だと
認めていないのに
恥ずかしげもなく
自分の書いたものは
詩だといって人様の目の前に出す
どうしてそんなことが出来るんだろう

おそらく人様の目と言っても
所詮自称詩 ....
髭を剃り髪を結いよい服を着ておしゃべりの花を咲かせる
今年のボジョレーの出来なんて過食なアイデンティティ
目玉ひとつ無くしたと思ってさっき古道具屋で買ってきた金の玉
睾丸ひとつにも満たない グズ ....
静の海

ひらけゴマ

勧進帳
眠いのだ
嗜眠症というのかな
やたら眠くて
ごろごろと気持ちがいい
人間という生き物がしきりにわしの名を呼ぶが
すこし静かにしてほしい
悪いがきみたちが思っているほど
わしは人間に関心が ....
モマリサ公さんのおすすめリスト(78)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜の終わりに- 室町自由詩323-1-29
お手紙- 初代ドリ ...自由詩423-1-1
冷気- 日々野い ...自由詩122-12-26
独り言12.26- ホカチャ ...自由詩2*22-12-26
現代詩百年の孤独- 藤原 実自由詩7*22-12-26
カーニバル- 山犬切自由詩222-12-1
いぬの幽霊を飼いたいな- 凍湖(と ...自由詩822-11-24
さまよう地下茎- ただのみ ...自由詩3*22-11-12
詩の日めくり_二〇二二年四月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩12*22-10-31
やみよのしじまが- 入間しゅ ...自由詩622-10-30
詩の日めくり_二〇二二年三月一日─三十一日- 田中宏輔自由詩13*22-10-24
ただたどしい- あらい自由詩122-10-6
らぶみーてんだー- 秋葉竹自由詩122-10-6
旅路- 玉響自由詩222-10-6
プラスチックの笛の音- TAT自由詩122-10-6
先ずは、君の名前を教えてほしい- 足立らど ...自由詩222-10-6
砂漠の行軍(九)- おぼろん自由詩2*22-10-6
蛇のきもちのすべて- 秋葉竹自由詩322-10-5
みらいゆき- すいせい自由詩722-10-5
砂漠の行軍(六)- おぼろん自由詩2*22-10-5
砂漠の行軍(五)- おぼろん自由詩2*22-10-5
砂漠の行軍(四)- おぼろん自由詩2*22-10-5
あの人- soft_machine自由詩122-10-5
秋桜- はるな自由詩922-10-5
容器- ひだかた ...自由詩722-10-5
令和4年10月5日(水)- みじんこ自由詩1*22-10-5
自称詩人がいなくならないかなと切に願います- 花形新次自由詩122-10-5
はるか- あらい自由詩122-10-3
令和4年10月3日(月)- みじんこ自由詩2*22-10-3
神様は寝ころんでいる- 室町自由詩4*22-10-3

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