五十鈴
湊
豊受
少し芯のあるパエリアを
何も言わずに食べる
失敗は復唱しない、
一度失敗したら、
もうそれで良いのだ
失敗は、
天国への階段だから
半年がすぎて
さあ、
もう一度パエリアを作る
....
頻尿が台無しにする秋の夜
薄ら禿げじじいのデコに赤蜻蛉
自称詩の投稿サイトに生き甲斐を見出だすんじゃない六十過ぎて
幸せな家庭生活あったなら自称詩人になるわけないじゃん
イイねさえ貰えるのなら尻の穴差し出すくらいなんてことない
施設への送迎バスに残されて助けを呼べど誰も気付かず
読まずともイイねを入れて称え合う自称詩人の気色悪さよ
六十を越えてきみとか愛だとか書いてるときも尿はだだ漏れ
じいさんの口臭混じりの恋ばなにイイねを入れるお髭おばさん
朝 煙草を吸う朝
コンピューターを開く 血行はながれよく 生政治は正常
けれど無為の情況?
簡単に作ったゆで卵とチリドッグを食べる
食い終えたあとシャーペンをノックしてノートを開いた
今日も ....
500年かけてあなたが泣いている
でかい木の葉が揺れていて騒がしい
復讐ぐらいしかやりたいことない
巨大な古代と広大な兄弟
ものすごいヘアスタイルで夢語る
生きていること ....
9月になればまた学校が始まり、けれど暑さはまだまだ過ぎ去ってくれず、プールに入り終えたような夢見の感じが幻熱のように僕らを冒している 時間をゆるやかにしかし直角に左折するような季節のうつりかわり 教室 ....
夏の始まりは曇天 灰色の雲がたなびき 川として日常は過ぎ
ランチにはまだまだ早いな 僕は思った
流れ星を探すよりタイムカプセルを埋めよう
そんな僕は 飛行機の乗客で
23歳 透明なはずの身体が ....
ケ、
チャップは、
嵐の夜、
電動自転車に乗って
ポマードの匂いのする
男同士の海とサンバを踊る
ケ、ケ、
チャ、チャップは、
エアリンガスのエアバスA320にロッテ
スンドゥブチゲ ....
チリンチリン
チリンチリン
万年飾りっぱなしの
窓際の風鈴が
北風に鳴いている
チリンチリン
チリンチリン
こころの中
フリンフリン
フリンフリン
今日子も 明 ....
口だけやんか
とか 言うけれど
言葉にするって
けっこう大事やぞ
言葉が引っぱってって
きみが信じきれていなかった
場所へ
夢、とか名付けていた場所へ
たどり着ける
こともあ ....
まずインストールしない
そして絶対にログインしない
一度ログインしてしまえば それは、死を意味する
きみはあたまが悪くて パスワードをいっぱいおぼえられないから
体中にパスワードの刺青を彫 ....
人間らしく 生きるってコトは すごく難しいんだ
歩き 飾り 触り 話し 伝え 考え 悩み 怒り
迷い 嗜み 求め 欲して 憤る
・・・長い
人間として生きるのは楽じゃないんだ
共通の ....
裾の長い制服に足を通そうとした瞬間、わたしは鈍痛と共に内股を伝い降りてゆく生暖かい感触を認識した。わたしは最初、下腹部に感じたその鈍い痛みをただの食あたりか何かから来るものだと思った。
わたしは ....
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