すべてのおすすめ
春星と過ぐる東京の君の夜
春愁やかつての君のマグカップ
炬燵出す心のどこか片隅に
あたらしいバイクで走る冬の街
猫座る手編みのかごのお正月
クロネコのトラック明日はクリスマス
偶然を必然としてポインセチア
....
ふるはせてなくためのむね冬薔薇
意固地になり夜が明ける
周りに笑われ東へ西へ
枯れすゝき行き場なく春迎え
夏の潮風の中 檸檬に恋する
子猫揺りかごに乗せ夕餉待つ
竹の花まだ見たことがない
柱に触れようやく春来た
野には野の事情と掟がある
家遠くまだ帰る道もなく
針を手に集める
かわいそうな大寒の日差し手で掬う
締め出しを食った日指折り数え
死なゝいがする事もない
定量の飯すべて夕に食べる
これこそはと目を覚ましてみた
ラップだかゲップだかうつくしくないもの要らぬ
黙して秘めず桜のはなびら
直ぐに起き出し座布団をしまう
ひとつくらいは嘘もまことへなってほしい
心中を察され居心地悪い
裏返しざまあみろ繰り返したくなる
手も足も出るが動けない
タニシ取り水槽ないことに気づく
歳時記で今の季節探し
近所で最後の書店もいつしか閉店
寝付けず深夜ラジオ聴く
扇風機しまうのまだ早かった
かき氷から匙ひとつ抜けない
退屈とは争うべからず
禍も転じぬ平凡な午後迎え
防波堤からほろ酔いで月見上げ
渦に今宵の風の行方を訊ね
先週花開いた木の枝に雪積もる
待つしかないので手を洗う
南の島の朝霧とバナヽに恋する
退屈の世に馴れ溜息
人知れず退屈と向き合う
そのうちあなたの窓辺にも退屈
背中に隠す退屈の本質問われ
緩い退屈に身を預け眠る
青い月頭に降り注ぐ宵の口
パグの群れ牡蠣にしか見えず
本の1ページ欠け全てを失う
日記書く間に寝落ちし朝まで
何の役にも立たぬ経験ばかり積み
昨日あたりから隠れる支度始める
無花果の木の下で待つ
家族の一部の興味は引く家
敗者の行列踏切渡っている
一輪の花地球の裏で咲き
昨今飲めないタブレット増える
何かと大きく臭くて不便そうな紅い花
都落ちの達人と呼ばれ
落ち着いても水が飲めず
窮して尚道草が恋しい
毎日が無念記念日
一瞬の口から出任せの責任背負う年月
ゲームに熱中するその姿寒々しく
生まれる前の記憶と責任逃れ
この場所にこれまで誰と来たのか悩む
さびりかげでもなんじょもなんね
残暑の道端で西瓜切る
眼鏡曇って道踏み外す
たゞならぬ光景も三日で見慣れる
夕暮れ時包丁をしまう
軌道と言うより線路
青い鳥に逃げられる夢ばかり
空き地に群れるカラスの数かぞえ
通り過ぎる電車どこへ行くか気にかゝる
ずぶぬれのまゝ海へ行く
あんなに渇望し翌週は机の下
そんな道具あったなら隠遁しなかった
時計多く持ちまた約束守れず
勝手にそれでいゝと決めるな
謂れのない言葉死ぬまで呪い続ける
手伸ばし草原の先
風吹く丘に降り立って
風邪福岡に蔓延って
桜散る 夢の種結び
忘れたいことなど今日だけでも両手に余る
依存の前に手を引きたかった
火をつけて逆だと初めて気づく
誘惑にも負けない貧乏具合
しくじって次どうするか迷う
乗り遅れ狼狽えて草履脱ぐ
踏んではいけない物を踏む
満月見て左足だけ踊る
足止めて表札見る
寄せ集まりでも鮮やかな色成す
石畳の道に迷う異国の異教徒
朝から晩まで自転車で逃げる
雨だけは降るなとツーリングの空
つれない猫 夢にも出て来ず
経緯思い返す事さえ想像できぬ
明日もきっと退屈だもっと寝て過ごそう
走り出せども涙止まらず
外見で損していると気づく夜
悟られて敗北感
諭されて敗北感
彩る花も不要な月光
俺の肩を叩くな
本当に孤独を愛する人はいるのだろうか
強がりも一週間程と見る
決意の遠吠え闇に谺もせず
その声関心もなく雑音のごとく
酒こぼし考え改まる
渋谷歩けばデカダンス感じ
また酒こぼし開き直る
する事もなくいたずらに冷蔵庫開ける
人の感情の我儘なことよ
真似するくらいならなり切る
退屈一つ振り払いまた一つ
つまらない奴に恐縮し過ぎた
坊主好きでもお経は苦手
寒村に路面電車を見た
職業に貴賎無しと雖もあれとあれは
やませという名の霧が白く立ちこめる
ふざけた後の心苦しさは退屈のよう
些細なトラブル続き事故は無し
かっこつけて穴を掘る
このコードを引き抜けば楽になる
悪夢に目覚めると東の空白む
やる事なす事全てが裏目
夢は卒業アルバムにはさんだまゝ
微睡みに風車の響き
富士山から逃げおゝせ異国に入る
波音に目を閉じて高田松原
春風の中 いちごに恋寄せる
心奪われて奪い返せず
まっすぐ進めど波が足掬う
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