私って
良い人ですか?それともきわめてワルイ人
そんな質問
誰かにしてみたくなった
その日
たまたま入ったファミレスは空席が目立っていた
ランチタイムと夜の混雑する時間帯ではなかったと ....
私はカフカの変身を読んだ記憶はありません
小林多喜二の蟹工船も倉橋由美子のパルタイも読んでません
ただ書店で何度か本を手に取った記憶はあります
私は芥川龍之介の芋粥は完読しています
太宰治 ....
プールの底からみえる
陽にゆれる水面
一篇の詩さえ
書けないってどういう事だろう
浮上とは何です、この場合
ミューズよ
荒野に一つ
かがやくそれは
ぼくの悩み事をぶちやぶって
窓に張り付く次の夜から
マカロニはしるしになる
やってきては不幸をなげき
とばりの隅に隠れている
宇宙にひとつ
かがやく ....
夏
中学の教室では前席のおんなのこのブラウスは下着が透けて
授業か終わり起立礼の時に前がふくらんだスボンを
クラスメートに気づかれないかと
ヒヤヒヤした事度々あったよ
俺は
尖ったコン ....
土を飼っている
従順で賢く我が強い
麦を好みパンも嗜む
時節をよく見極め常に冷静
時に激しく自己否定する場面も見受けられる
芸術に造詣が深く音楽や絵画はよく語るが
文芸は理解するに及ばず
....
ラブソングという名前の正方形
いつもの日 いくつもの日々 積もる日々
どことなく小説みたいな口説き方
とどかないこと どこまでもとおい午後
死んだらさ
じっくりじっくり焼かれてさ
灰になるまで焼かれてさ
本人痛くも痒くもないから
残酷でも
許されるんだろうな
親族一同が集まるなんて滅多にないけどさ
二人一組になってさ ....
この服を脱ぎたい
そうしたら
気のいい単語と
すこしの助詞や助動詞たちを連れ
ピクニックにいくんだ
パラソルの下で
サンドイッチを食べる
貝殻を覗いて
蟹を見つけたり
珊瑚や不思 ....
- Glove
御存知の通り、
手袋もまた奇妙な存在だ
大抵、かたわれだけが、路上で死んでいる
今日
わたしの片方の手袋がいなくなった
どこかの路 ....
詩を書いたり 短歌詠んだり 俳句摘まんだり
それをインターネットに投稿したり
自分は暇人か
そうじゃない
私は私なりにいそがしい
昨日は血肉を分けた兄の葬儀に参列して
焼かれた灰の ....
静けさ
ちょこんと
座っている
気付けば
夜底に
座っている
私は寝床を整える
不眠の夜を払うように
新しいシーツで敷布団を包み
黄色い朝の喧騒に
心の奥処の祭壇が
荒らされ ....
あのときの写真みたいに笑いたい
僕はぼくの町を見ないで歩いてる
風に掻き消されても良かった言葉
月が居る 脳とか服の左側
この淡い色をそのま ....
しゃくりあげる2月
スカートはフレアして
びどうだにせず濡れる校庭
友引のある日
メラニズムを引き起こす電車にのって
わたしたち
ちぎれてしまう
耳たぶだけになったら
ね
という ....
たとえば
現世から来世にかかる橋があったとして
三途の川はその下をゆうぜんと流れるのか
馬鹿言うなよ
俺は生まれ変わりなんて信じてないぜ
あんたは信じてるのか
信じたいのかよ
生 ....
不意に襲って来た
過去の亡霊
無きものとした苦悩
何がこの恐れを抱かせたか
悩ましいこの病だれのとばっちり
あぁこの瞬間を抜け
私は恐れと対峙する
やむなく陥った澱を
捨てるの ....
たくさんな人のたくさんなこころ
そのどれをとっても
たった一つのものだ
少し離れていればよだかの星か天の蠍に
それは
見えるけれど
近寄ればすぐ灼かれてしまう
ぼくはあす
近くのBOO ....
あなたが深く絶望するとき
世界は絶望するけれど
その世界はぼくの世界とは違うのだけれど
そのことでごめんなさいと思うのは
あなたの絶望の世界のなんだろう
ぼくは
まあこんな人間でやってきた ....
1 2