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双眼鏡を両手に
望遠鏡を傍らに
細目細目で眺めた月は
それでもよく見えませんでした

裸眼視力0.02
諦めて眼鏡を外して見た月は
存外一番綺麗でした

手放せば見ようともせず見えて ....
秒速2m
まだ来ない夜明け

一日ごとに
増えていく知識

一秒ごとに
尽きていく命

得たものはいつでも
失ったものに釣り合って
途方に暮れる

秒速2m
夜明けが追い越 ....
天使たちが急ピッチでクレーム処理に追われている

みんな気付き始めたのだ
鉄格子の向こう側の魅力に
感じたことが
自分なんだな

あの苛立ちは
自分なんだな

その悲しみが
自分なんだな

この感動も
自分なんだな

漏れた本音が
自分なんだな

目につくものが
気に ....
この
干からびたミミズにさえあった
命が

わたしには
ない
月並みな幸福も
月並みな不幸も
みんなは興味がないから
今日も話を盛る

月並みな嘘なら
誰にもばれないからいいさ

みんなは会釈して
わたしを見守ってくれている

そのうちに味 ....
冬休みが終わると
みんなお金持ちになっていた

ぼくは仲間外れ

なんでおじさんもおばさんも
いとこもいないの?

わけを聞いても
よくわからないけど

おじいちゃんおばあちゃん ....
まずスマホ それからテレビ OFFにする

死ぬまでは 生きれるように 今は寝る

悪いのは あなたじゃなくて タイミング

無意識は あなたの味方 いつだって

嫉妬かな 嫉妬なのか ....
両祖母は国後島、樺太出身である。
現在国後島は北方領土としてロシア実効支配下にあり、
樺太は正式なロシア領土である。
戦時は幼少期ということもあり、両祖母の当時の記憶は非常に断片的である。
し ....
かくれんぼでもないのに
おしいれに入る

大人になった僕だって
泣きたい日はあるから
おしいれに入る

布団の柔らかい重み
心地よい苦しさ

そのうち僕は
安心して眠ってしまう
 ....
泣き虫だった僕が
泣かなくなったのはいつからだったろう

少しだけ嘘をついても
滅多にばれないことを知ってから?

怒られても開き直れば
強く言われないことを知ってから?

みんなと ....
そこにいたねこ
にげてった

ねこどこいった

そこにいたねこ
どこいった

にげたねこ
こっちみてたよ

もうこないかな
あのねこは

ねこにげて
ねこのいたとこ
い ....
削除しても削除したという事実だけが
追加されていくわたしにおいて
忘却さえも記憶の一部となる

無表情の女が追いかけられて
空回りしていく足元

もうだめだと思ってからの記憶は
今日も ....
嘘なんかいつもついてる四月馬鹿

入社式先輩風で風邪をひく

花粉症霞んでるのは目か空か

春の雷見て見ぬふりの自己嫌悪

誕生日もうロウソクは増やさない
足下の散り切った花弁は
少しずつ汚れていく

達観した振りして
本当は泣きたくなるほど淋しい

何年こうしてきたのだろう
何年こうしていくのだろう

(ヒヨドリの発狂)

本 ....
こんな寒い夜だから
いつまでもここにいよう

(非常の際は、ここを破って
 隣戸へ避難してください)

自分の不本意を私にぶつけて
ここに閉じ込めた母

あの時見た一等星は
今日も ....
追い求めた末に手に入れたのは
後悔だけで
似たような形状の夢たちは
いびつに微笑んでいる

見知らぬ道の桜吹雪

励ましのつもりでも
わたしには冷やかしである

咳払い一つで世界が ....
殺風景な教室に
わたしの怒り

先生は多数決をとった

異分子には異分子の
言い分があることは
知っていたはずなのに

優等生のふりで
回避した戦争

擬装の平和に
気付いて ....
地球とは叡智を究め滅ぶ星
今日も最期の夢を見ている
感情が死んでいく

論理の下に埋もれて
死んでいく

ニュースは私を否定した

その論理は
私は排除すべきものであると
私は許されないものであると
私を否定した

いつか私が死 ....
前方不注意で迷い込んだ森で
僕の死骸は笑っていた

それが実に正夢で
私は確かに発狂している

もう望んでない
もう恨んでない
上澄みだけが
強がって

僕を守ろうとした
無意 ....
辛丑(かのとうし) 牛も辛いが 自粛する

泣きぼくろ 愛した君の 三番目

真っ白な スケジュール帳 もう二月

ペンギンは 鳴かず飛ばずの にんきもの

帰れない パンダの気持ち  ....
情報の過剰摂取により
消化不良となった価値観

両立しない信念は
一方を徹底的に否定して
安定を保つ

戦う相手は
まだ眠っているとも知らずに

過渡期を過渡期と知らない世界
あ ....
中途覚醒の早朝
後悔の隙などない

叶わない夢
抗わない今

午前六時
カーテンを貫通した朝日

届かない理想が
気まぐれに私を応援している

一筋の光に導かれた
二度目の眠 ....
田中宏輔さんのTwoRiversさんおすすめリスト(54)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
十五夜- TwoRivers自由詩7*21-9-22
ねむる- TwoRivers自由詩14*21-9-19
2021年7月の革命- TwoRivers自由詩6*21-7-23
生きてる自分- TwoRivers自由詩10*21-7-16
精神的過渡期の備忘録- TwoRivers自由詩6*21-7-11
月並み- TwoRivers自由詩8*21-6-18
いとこ- TwoRivers自由詩9*21-6-13
脱鬱川柳- TwoRivers川柳7*21-6-6
ロスケ- TwoRivers散文(批評 ...8*21-5-30
おしいれ- TwoRivers自由詩9*21-5-24
泣き虫- TwoRivers自由詩9*21-5-16
ねこ- TwoRivers自由詩4*21-4-23
Delete- TwoRivers自由詩4*21-4-17
君も僕も四月- TwoRivers川柳4*21-4-13
葉桜- TwoRivers自由詩5*21-4-10
ベランダ- TwoRivers自由詩7*21-4-5
春霞- TwoRivers自由詩8*21-4-4
3年2組- TwoRivers自由詩7*21-3-29
地球- TwoRivers短歌4*21-3-21
感情の死刑宣告- TwoRivers自由詩8*21-3-21
死骸- TwoRivers自由詩14*21-3-15
白と黒- TwoRivers川柳8*21-2-27
過渡期- TwoRivers自由詩2*21-2-27
二度寝- TwoRivers自由詩5*21-2-21

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