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空を海へ引く光の紐
雨と機械の音が重なり
遠い話し声となり
さらにさらに遠去かる
音のはざまに見える陽
すべては明るく
白いものの前に浮かんで見える
だが暗が ....
白い漆喰が
薄く、褪せて
遠くの
{ルビ草原=くさはら}で
掛ける
言葉があれば
ひとつの
声を
一本の 煙草 ....
落ち葉をひろって
たったそれだけのことで
一日が眠りつく
つらい、けれど大切な別離があって
急にころがる
あなたの ひとつぶ
それを どうか嘆かないで
中心に感じて
....
あなたを切り分けなくても話せることがあるでしょ、ぼくはそれを待ち望んでいる。点線・面、休憩/スピードと湿度。消えてしまう前に、肌のひとつぶひとつぶから露出した感情をなるべくゆったりとたしかめたい(とめ ....
死んだ草が風になるのを待っている道の秩序を
ソールで滅茶苦茶に荒らしながら歩いた
深い湿気のもやが身体中にまとわりつく
携帯プレイヤーのバッテリーは音を上げ
音楽は記憶の中だけでコードを探 ....
夜風
白銀色の月光り
かじかむ指先の、爪に落ちて、ちいさく照らし返す
甘い潮の香
はなうら 花占 花占ら
月明りの浜辺に咲き
揺れている花々を
一本一本摘んでは花びら千切り
時 ....
{引用=みずうみに
釣り糸をたらすと
うつくしい皺が外縁へむかい
逡巡をひろげていく
魚のいない惑星では
玻璃でできた液体はとてもあおい
水べの図書館の閉架には
魚偏で ....
頼りまくっている
添削はミッちゃんに
イラストはヨシ子ちゃんに
(無論!わたしは椅子の背もたれにもどっかり倚りかかるタイプ)
自分を押し殺して生きる人を見て学んだ
倚りかかり倚り ....
慎ましやかな生活の一部に或る骨壷の裏を覗いては
空っぽの天上に巣食う迷い蛾、天上裏をぱたぱたと回る
裁断の済みには萎れた華のいろ。活けられ、
打ち捨てられた襤褸 やはり衣は黒ずんでゆきます
芽 ....
泳ぎ疲れた川魚の
ため息が水面にうかぶとき
十月は訪れる
他愛もない 言葉のくずを散りばめて
だれもいない山道の清水に流してしまおう
季節は傾斜し 黙り始める
そのはざかいに ぼくた ....
月のまぶしい
天気雨の夜
雨と星を
月と海を混ぜる指
岩と水と樹
斜めの夏
痛みと窪み
路地を飛ぶ影
螺子 廻る方へ
廻る光
下へ 土へ
水の ....
{引用=幼恋歌}
暑さ和らぐ夕暮れの
淡くたなびく雲の下
坂道下る二人連れ
手も繋がずに肩寄せて
見交わすこともあまりせず
なにを語るか楽しげに
時折ふっと俯いて
風に匂わす花首か
....