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空からたくさんの手紙をわたされ
緑のなかへ入り
迷ううちに手紙を失くし
戻ってきたときにはいつも
お礼の手紙が積まれている
迷うために迷うのではなく
たしかにどこかへ ....
セーターの首をつまみます
えりが首を小さく噛むためかゆいのです
ふわふわの小さな猫をつまむ指
もう悪さはするんじゃないよと離します
羊飼いが私を見ている/それはどうでもいいことだ/ただ君はそこにいてくれればいいんだ/死んだ魚のように/私は泳ぎを知らないまま/あなたの流れてくる涙を眺めている/好きだったような気がするけれど/あま ....
誰もいないあなたの向こう側
夜、扉叩く、音
空気の薄弱した感覚
まるであなたが蘇ったような
光の影、眩しい
ねぇ モモ
あなたが せっかく 灰色の人から
時間の花を 取り戻してくれたのに
私たちは自ら 時間の花を 葉巻に変えて
煙にかえていっているよ
ねぇ モモ
もう遅いのかな 一度 葉 ....
わたしはさみしい
みんないなくなってしまうから
わたしが抱きしめると
みんな凍りついてしまう
わたしが好きになればなるほど
わたしは嫌われる
わたしは寒い冷たい場所に
あなたを閉じ込めよ ....
かつて
わたくしは
花、だったのですよ
よろしければ
咲いてみせましょうか
と
言うと
水、のようなそのおかたは
しなしなとゆびを左右に
ゆらして
ていねいに
それをこばむ
....
けしごむ ごしごし こすっても
きえないものなーんだ?
らくがきのつもり なのに
きえなかった きみのなまえ
だれかに見られるのがいやで
まっくろに塗りつぶしたけど
そのし ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
しりとり・・・
理由はない
いつものこと
戸惑いが
ガラスの心に
鈍く響いた
確かめたくても
もうそこには何も無く
苦悩することしか出来ない
いまはただ
抱き締めて欲しくて
....
部屋はガラクタに埋もれている
その中に居るのは昔の私
怒りと怨みに歪んだ瞳を私に向けて
呟く
「如何して笑っているの」
大好きな音楽を聴いたり
大好きな友達 ....
声をかけるというのが
悪いことではないことを
あなたはぼくに教えてくれた
ぼくは人によく声をかけるのだ
話し相手とすこしでも親しくなりたくて
内心 ....
余りにもあどけなく捨てられた
紙屑 に
余りにもあどけなく捨てた
指 に
同じように宿るものを
冬と 呼ぼう
乾いたマンホールの薄い模様を通り過ぎたあと
歩道の段 ....
色は黒
猫は黒
色は黒
「 不吉と呼ばれることもしばしばですが
それはそれで
私が不幸になるわけではないので
満 ....
イエーイ! 家
俺らのため息というため息 体毛という体毛 のすべて
には窓が取り付けられている 家
窓という窓には俺らの手形
という手形にも窓
ところどころは出窓として取り繕っておりま ....
たなかさんちに
ようじがあるとかで
おばあちゃんについていった
すごくおおきないえで
おばあちゃんとたなかさんのはなしが
いつまでたってもおわらないので
ろうかをたんけんするうち
す ....
形のない
おくりものを探しに
秋の夜長
旅に出よう
月光がかった
道なき道を
ゆれているので
こっくり こっくり
あいずを おくった
しんぱいっていう わすれものを
とどけたり とどけられたり
いっしょに いない
きもちと きもちを つないでいくために
お ....