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とり忘れられ
赤々と熟れ過ぎた
トマトが、ふと
地に落ちひしゃげ
鴉が舞い降りた

赤い飛沫を舐めとるように嘴で何度も
つつき、カァァァァァァ、と鳴けども
人びとは潰れた野菜など気 ....
どうでもいいぢやないか

それは君のくちぐせであり
ぐうぜんにも 君からきいた
さいごのことばでもあつた

ひと月まへ 一緒に飲んで
別れ際にきいた いつものせりふだ
その前に何を ....
近所の魚屋にギターが売られていて
魚屋のじい様、年季の入った海軍御用達の
看板を磨いてぴかぴかにして笑っている

こいつはまた活きのいいギターじゃないか
そういうとじい様は息子が若い頃に弾い ....
すべての川は流れている
すべての故郷の川は流れている
耳を傾けるならその川の流れを
聴くことができるだろう

乾ききった風と砂しか入らない
窓からせせらぎが流れてくる
台所の床をひたして ....
鈴木歯車さんの自由詩おすすめリスト(4)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏の階に立ち- 帆場蔵人自由詩11*19-7-22
或る友へ- 石村自由詩31*19-7-8
魚屋でギターを売っちゃ悪いのかよ- 帆場蔵人自由詩4*19-6-2
それぞれに川は流れている- 帆場蔵人自由詩15*19-5-30

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