吐き出した言葉はもう
戻らないと傘が言う
ほころんだきみのスカート思い出して


夕陽に滑り込むように電車が来て
ホームにひとが押し寄せ
「忘れちゃえ」と口を揃え
涙を連れ ....
ブランコにのせた蚕
白球と青空
鏡の中の痩せた王子様
上昇する空気層
透明にならない心残り
落としたアイスクリーム
スプーンのない午後
洞窟の奥の先の躁鬱
通り雨に花柄傘
リ ....
濡れた憂鬱をかけているようなもんだ
ハンガーの正論は誰の何も救えない
通りゆく嘘に答えを這わせて
結んだ空想を星座と呼ばせて
青果コーナーでオレンジを君が掴むとき
僕はまだ乾かな ....
海よりもとおい海の
浜辺には声の真空があり
水と石だけがきざまれて在る

列島の等高線をきりおとして
おんなたちは口々に
あれが星の曲率なのだとささやく

だがひとえに言ってしまえ ....
世界の主要メディアがいっさい口をつぐんでいるので事実をここに記しておきます。
ファイザーなどのコロナ・ワクチンは、「ワクチン」とは名ばかりで本質は"遺伝子操作"薬物です。
これ ....
空気清浄機が夜を吸いこみ始めたから
眠たげな目をした太陽が今日も出勤する
夜はなんだか悪いような気がして
なにもしていないのにごめんねと謝るんだ
僕はその表情に僕を重ねて
洗面台の前でひとり ....
数年ぶりに姿を現した魚が街を襲い
道路には生臭い空気が漂っている
僕は右手にファブリーズを持ったまま
身動きできずに立っているんだ
もちろん今朝、家を出た瞬間から
自分のズレには気づいていた ....
みんな幸せなんて嘘
笑顔がいっぱいなんて嘘
僕らはどうしようもないから繋がっていて
どうしようもなくバラバラだ

だから福祉は
僕らをどこにも連れて行かない

みんな一人で歩いていって ....
一旦、ザルにあげておきなよ。
生活に疲れたなら、旅に出たっていいよ。
もうあの日の子供ではない
単衣が似合う長い髪
妖精がつけてくれた紅
御簾の外は月明かり
私は繰り返し和歌を詠み
あなたに渡すつもり
裏の紅に触れるかしら
吹き消した蝋の匂いも煙も ....
遺影などに目がとどまると、
この世の者ならぬ者となられた者の、
超自然的な力にすがりつければ、
などと虫のイイ妄想をつい抱いたりしてしまう、
事がしばし多くなってしまった気もする。
自己不安 ....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。

夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。

君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。

そこで砂漠の闇のような心と ....
わたしはわたしを
いちばんに思う人だから
いちばんにしか
思えない人だから

わたしはわたしが大切にするものを
失いたくないものを
全力でまもりたい

わたしは
時に正義を口にする ....
犯人の名前がアニメチック過ぎ 煙がすべて空に消えたら
ぼくの骨を拾いに来てくれ

肉はすべて
烏どもにくれてやった

ぼろぼろの骨のなかから
丈夫なものをひとつだけ拾ってくれ

それからそれを
あの女の部屋に投 ....
あわ粒に記号をふったり、
オルゴールのはじく金属の突起をおいかける
午後、まだ日のたかい街をうろうろして
存在という妄想を
あじわっている

からだの外がわで
世界と 物事が
 ....
シャフトの部分が少し古びて

錆の匂いが鼻をつくとき

お気に入りだったと気付いてしまった

こんな気持ちになりたくないのに

水無月の空が私をしとしと待っている
文明はひた走る
未来へと伝達する
時をドラマにして
空間をひとつにして

進め、近未来
お前が一番近いのだろう
神様がいるところまで、どうか
連れてっておくれ
朝5時30分
げっ歯類の歯磨きが始まる
シャカシャカ シャカシャカ
繰り返すリズムが小気味好い

ユーモアのセンスが
彼等にあるとは思えないけど
生きる為のシンプルな行動が
それだけで ....
もしも悲しみが猫だったら
きっと僕は今より強くいられる
気まぐれに悲しみがやってきても
優しくその子を
抱きしめられるだろう
いつか気まぐれに
去ってしまうと知っているから

もしも悲 ....
夜に眼鏡
見えないが見つめるその先
視力0.4
レンズ越しの未来

月明かりに眼鏡
綺麗なものを探そうとして
反射する君が一番美しいというジレンマ
視力1.2
見えないものを探してい ....
眠たさを押し切ってまで
やる意味なんてあるのだろうか
今日が終わってしまう
呟ききれないときに終わってしまう
睡魔と仲良くできないなら
疲れとも仲良くできない気がする

充電器で充電され ....
杏っ子さんのおすすめリスト(22)
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