ひとつぶの光を追う
求められた大きな聖杯が
冷えた水蒸気をまとう
あらゆる渇きに喉が浸せるように

切り裂かれた流星は象徴を保ったまま幾片の塵となり降り注ぐこの夕闇に
君は息をひそめて自身 ....
母に愛を頂戴と 両手を差し出すと
母は遠い所を見るように 私を見つめる

朝 白い大きなお皿の上に
母の首が置いてあった
寝室の机の上にある手が握っていたのは
((少しでも足しになれば…、 ....
一日中縁側で過ごす人は
陽の目を見るのが少なくなった人だ

何を話すでもなく 寄る猫を追い払うでもなく
牛乳屋を見送って 小学生の登下校に目をやりながら
物干し竿がハンガーごと錆びていくのを ....
時間を刹那を右腕を力一杯振って
刻んでゆく
光を大事に受け取って温もりの花束を
植えてゆく

生きる繰り返しを息吹の数ほど星の脈と共に
打ってゆく
日常を大袈裟に奇跡と呟き 証と存在を透 ....
月にいきてえんだよ

息ができねえとか
華がないとか
雲がうかんでねえとか
音がないんだとか

そうかいそうかい、
どうでもいいんだって!

おれも男だからさあ、穴が
あった ....
指の先には爪が伸びる
それは
人も獣の証なんだろう

指の先に爪が伸びると
たいがいの男はほっとけなくて
爪切りを探し切ってしまうのに

たいがいの女が
やわらかい指の先に爪を綺麗に ....
羽根が刺せなくなるくらいの背中の凝りの
緊張感を羽ばたかせながら
血流の問題を即毒スルーさせて流す本物の入れ替えた血の値色

何の為に生きるなんて地球は伝えてない
きっと
ベースに滞りなく ....
チーちゃんまだ眠っているかな

ありがとうが溢れだして涙がでるよ

ちょうど四年前デンちゃんが逝って
そして君が逝って
猫と過ごした24年間が終わったよ

音楽が耳に入ると涙が出る
 ....
めざめると同時に 自由の女神になっていた
すっくと立ち 右手を挙げ 情熱の象徴を高らかに天に示し
頭の中に声が響いていた「走れ!」

いや、ちょっと待て 忘れられないぢぁないか あの家の ....
なんにもない
なんでもない
ぽかんとあおぞらあけまして
しずかなかぜがふいている
むおんのかぜがふいている

なにもないわたくしは
まちのけんそうのただなかで
たいこのおとをきいている ....
悪いことをやり過ぎた結果
良いことしか
言わなくなったドイツ人が
男性名詞とか女性名詞とか
中性名詞とか
未だにそんな言葉を使っていることに
アメリカのLGBT団体から
抗議の声が上がっ ....
小鳥のなかにある巣箱を見る。
小鳥のなかにある巣箱のなかには、
ちいさな穴があり、
それは小鳥にとっての全て。
穴の外には広い大空が広がっている。
小鳥の歌う歌声は、小鳥自身にしか聞こえない ....
他者の放つ言葉でたくさん傷つけられてきたし、それと同じくらい僕も他者を言葉で傷つけてきた。
これからも他者と傷つけ合うだろう。悪意がなくとも言葉で人を傷つけてしまうこともあるし、言葉では人を慰められ ....
手紙がある

うす桃いろの
手ざはりのよい 小ぶりな封筒の
崩した文字の宛て名も品が良い
封を切つて なかを開けるに忍びなく
窓際の丸テーブルに置かれてゐる

さて 何がか ....
糸を伝わる震えとぬくもり
声の往信が私達をつがいの鳩にする

時間が道路なら振り返って走ろう
白線にそって回顧の草を摘みながら
あの白い家屋に飾ってある
陽に焼けた一枚の写真を目にするため ....
天使だって、
死ぬんだ、って。

それは、
凍りついた川の岸辺に
天使の肉体がたどり着いていた。
なぜか、
人が、
人の心を、
疑い、
恐れる、
荒野の街の、
夕間暮れ。

 ....
「黄色い傘」

きいろい傘が咲いていて
わたしのうえに 屋根になっている

かさついた
この指は
皿を洗い刺繍をし文字を打ち

自由になりたくて
書いていたはずの文字に
とらわれ ....
わたしは粉々になった

わたしの破片をすべて集めても
貴女には成れない
貴女を粉々にして
わたしの持たない破片を拾っても
貴女には成れない

貴女がうらやましいと思ってしまったあの日
 ....
懐かしい歌が頭の中に流れる

まだわたしが少女だった頃
わたしの世界を満たしていた音楽
こんなに遠くへ来ても
忘れることの無い歌

少しだけ口ずさめば
貴方が思い浮かぶ
まだ何も知ら ....
オヤジに土瓶蒸し、食べさせたかったなぁ、

って、思い入れたっぷりの言葉を聞いて、
オレも、そうだなぁ、と
しみじみと思ったよ。

って、
オレも食べたこと、ないじゃん。
 ....
JR線の駅が近い。線路の上にかかる橋の上から通過していく電車の音を聞きながら歩いていた。

もしかしたら余命幾ばくもないかもしれない私の命。
人間の寿命なんて人それぞれに違いがあるけれど一世紀を ....
 よく晴れた十月の午前
 山の上の一軒家にひとりで住んでゐる松倉さと子さんのところに
 郵便局員がたずねてきた。

「ごめんください、お届けものです」
「あら、何でせう」
「どうぞ ....
君のそばには、いつもきれいな空気があふれている。
ひょっとしたら君は、植物なのかもしれない。花なのかもしれない。

君のそばにいると、あたたかい気持ちになる。
ひょっとしたら君は、陽だまりなの ....
虫の声。車の走る音。飛行機の音。犬の鳴き声。
そういったものが、夜に静かに溶けてゆく。
僕の体も溶けていって、夜の一部になったみたいだ。

夜は、歌を歌ってくれる。誰も知らない声、誰も知らない ....
彼は世界一静かに電話をかける。
彼が電話をかけるとき、何故かコール音も小さくなるので、ほとんどの人は、彼から電話がかかってきても気付かないだろうと思う。
だけど、わたしは電話に気付いた。ずっと耳を ....
笑うのにも
エネルギーがいる
口角を上げるのにも
努力と練習が必要

気が付くと
みんな同じ表情をしている

泣くこともなく
頑張りを見せることもなく
日々を受け止めて

言い ....
家に来たとき
まだ子供で
カメラに収まらないほど
暴れん坊で元気だった

ガゼルみたいに飛び跳ねて
片時もじっとしなかったっけ

じいちゃんが倒れた時
家族に知らせようと遠吠えした賢 ....
齢(よわい)48にして、
うんこを漏らした。


通勤途中、他の社員と顔を合わせるのが嫌で、
いつも、遠回りして会社に行くのだけど、
途中、時間合わせで、コンビニで週刊誌でもめくっていたら ....
それから空は夏雲湧き立ち、風は川を越えて丘を越えて、それから線路を越えて団地を越えて、それからあの家の窓を抜けて、あの白い壁の部屋をぐるりと回る。部屋には檻があって虎がいて、虎は檻の中で待っている。誰 .... 気温が伝わる電話があった

雨の音
震える声

どこにいるのか
あなたは言わなかったけど

帰っておいでよ
何も話さなくていいから

何か温かいものを作るよ

悲しくてもう
 ....
そおっと生きるさんのおすすめリスト(141)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
君の命が杯になる- 由木名緒 ...自由詩14*18-12-5
宿題- 為平 澪自由詩1018-12-5
縁側- 為平 澪自由詩1018-12-5
生の凛(なまのりん)- 朝焼彩茜 ...自由詩518-12-5
いきてえんだよ- 新染因循自由詩1218-12-5
指の先には爪が伸びるから- こたきひ ...自由詩318-12-4
飛翔血- 朝焼彩茜 ...自由詩418-12-3
まだ眠ってていいよ- 朝焼彩茜 ...自由詩1*18-12-1
よしっ。いや、ちょっと_マテ。____- るるりら自由詩14*18-12-1
かぜ- ひだかた ...自由詩618-11-28
ドイツ- 花形新次自由詩318-11-22
小鳥の歌- la_feminite_ ...自由詩4*18-11-21
詩を書いています- 水宮うみ散文(批評 ...5*18-11-19
秋にとどいた手紙- 石村自由詩20*18-11-16
世界は泣いている- 由木名緒 ...自由詩15*18-11-16
少女は、荒野をめざす(風塵《改》)- 秋葉竹自由詩1018-11-14
ちいさなちいさなことばたち_二- 田中修子自由詩1518-11-12
破片- 卯月とわ ...自由詩518-11-11
色鮮やかによみがえる歌- 卯月とわ ...自由詩318-11-9
オヤジと土瓶蒸し- 秋葉竹自由詩518-11-6
美空の下に美空の果てに- こたきひ ...自由詩1018-10-21
やさしい世界の終はり方- 石村自由詩26*18-10-14
君のそばに- 水宮うみ自由詩4*18-9-30
夜が歌ってくれる- 水宮うみ自由詩3*18-9-30
静かな電話- 水宮うみ散文(批評 ...3*18-9-6
うたたね- 猫の耳自由詩318-7-21
ばあちゃんと犬- ガト自由詩6*18-6-30
腰まで糞まみれ- はだいろ自由詩3+18-3-17
幽霊と虎- 片野晃司自由詩1918-1-1
凍える影- ガト自由詩2*17-12-23

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