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水の音に、
さらわれてしまった、
まるで、体は、
どこにもないかのように、
流されて、
くだけた、

服にまとわりついた
みずの、おとだけが、
私をぬらして、
ずっとずぶ濡れだった ....
   5


みつばちやはなあぶがたわむれて、
そこに垣根があることも、
花が咲いていることも知る。
果実がなるのを待って、摘んで、
樽の中で、苦い酒にする。
酔って、今日を事実にして ....
   3


ぼろ切れも、つづれ織りのように、
紙と紙のあわいから過ぎず、
あったことを示す。
日夜のめぐるたび、足し算を続けて、
よろこびなぞ、かなしみなぞ、
充分に受け止められる。 ....
   1


ろばの肉は、骨をくるんで、
皮にくるまれていた。
もえがらにはならなかった。
一つ、星のおこるたび、
グレアに紙をかき消されるたび、
皮をまとって、骨にまとわされて、
 ....
一.


感度のよい
センサーライトが
いきばのないくらいに
点る

道は足に
ぶら下がったままで




二.


ひまし油
(メルセデス・ベンツのブレーキホース ....
一.


青を
反故にした

よりも
事情がある

真昼につき、
雨はふらない




二.


鋏の持ち手が緑だったことから
分け合いたくない
ままの
手 ....
他人のような起床だった
おまけに
水が揺れて上がれない
くるまれた水のしろい肢体が
暗いほうへ暗いほうへ
流されていく
そんな部屋で寝ていたからだろうか
朝になっても
何処にも辿り ....
あなたが中にいる時は
わたしはずっと外にいて
見下ろしている、。心臓
二つ((十五度ずれて
地球が振り向く
その音に
カーテンは揺れ
隠れた場所を明かしてしまう

鳥が
 ....
一.


番号をつけるかわりに
名前をつける
えんえん正しい
回路
いつか誰かにのぞまれる手
という呪文




二.


ステップが日の長さに合わない

れんげは ....
一.


春待ちゆびが
くちびるにふれて
かた
むね
こし

跳ねていく

抱きぐせがつくからだめよ




二.


ぱた ぱた
と舞う洗濯物を
清潔とす ....
一.




おなじ速度で落下する
きみと
きみ
の 心中しようか


亡命 なら
考えたかもしれない




二.


きみに似ているもの
・深夜のガソ ....
夕暮れに
ひめりんごの花弁が
雪のように散ってゆき
落ちた先は
あの子の眠る
寒い土の上でした


最期の言葉も
交わさぬまま
突然
冬空へと消えた
一つきりの ....
夕闇に
かみひこうき
投げて

どこまで
飛んでいって
くれるのか

思い

馳せる

季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい



ふと
隣に居な ....
身体という身体に付着した夜の気配の中には一羽小鳥が棲み付いていて一鳴きしては夏の
音を待っている。鈍色の血の替わりに巻かれた絹のガーゼはこの冬の半ばに来て擦り切れ
ていたが。
机上に在る{注水中 ....
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