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夢の蝶、舞う
遠去かる
宇宙の縁に触れ 燃えあがり
忽然と消え また現れ

あらゆる現の美をよろめかせ
その軌跡のおぼろな輪郭を
響かせて 響かせて
降りていく
夜空の底へ
降りていく
瞼を閉じて
降りていく

やはらかなそこへ
そこなきそこへ
はらはらはらはら舞いながら
やさしいことのは散らしながら

降りていく
宇宙の底 ....
くらい 翼をひろげて
古い調べから とほく紡がれ
凍てついた 水を恋ふ
しづかな もの

ひとの姿を 失つた日
ひとの心を おそれた日
雪を待つ 地へと降り立ち
ひそや ....
もしも優しいお日様が


雲に隠れてしまったならば


空に恋したお花はきっと


ずっと元気が出ないでしょう




もしも夜空に輝く月が


闇に隠れそうになった ....
陽の光満ち、
無数の銀の矢飛び交うなか
私の意識は泳ぎ出し
遠く貴女の声を聴く

久しく憧れ懐かしい
囁くような貴女の声は
やがて天空に力強く木霊して
飛び交う銀の矢を震わせ
降って ....
風になびく
ススキの穂が
水面を滑る
 
 眼差す太陽にギラリと光り
       
到来した冬は
情け容赦なく
すべてを裸にし
覚醒の輪郭を
与えていく
 
 透徹として刄の ....
結露が零れて
四季を忘れていたことを
思い出す
煮詰まった思考から直視しか
成らない耳鳴りのように

雑音のろ過を辿る ハッと思い出す太陽からの
折鶴 息の白さ

師走に敷かれ ....
暮れて行く秋
まつすぐな道
銀杏の葉のそよぎ

感じてごらん
たつた今うしなはれた
いくつもの命の分だけ
透けて行く風を

たつた今うまれた
いくつもの命の分だけ
 ....
リビングで
回遊している銀の魚は

言い出せなかった言葉の群れ

怠惰な午後に
ゆらゆら

なんて美しいのかしら

この沈黙は
やわらかな肉に
流れる
清冽な水を
むさぼり飲み
やわらかな宇宙を
貫く
輝きの光を
集める

ことば、コトバ、言葉 を!

欲望の卑猥を魂に焼き
スコンとまっさらな地平から
 ....
その木製の寝台はきっと
幾度もさびしい月夜と寒波を迎えつづけて来たがゆえ
あの月の桂と同様のものに変質してしまったに違いありません
その柔かな布団はとうとう彼女の豊かな乳房となって
ぼくという ....
声と声が交わるあいだ
柔かな光が横切って
わたしは不意にいなくなる

うねる大気が木霊して
青空が見えている

静かだ

青空を見ている

静かに


呑まれていく
わたし


青空が見ている

静かに
  静かさ


静かさ、といふ音があると思ひます。

秋の夜長、しをれかけた百合を見ながら
静かさに耳を傾けます。



{引用=(二〇一八年十一月八日)}



 ....
『赫』

赫いピラカンサス、鮮やかに燃えて
秋が尽きる前に燃えてその杯から
あふれ滴る毒を孕んだ赫い果実よ

あのひと粒 ひと粒 ひと粒に
過去と未来の産ぶ声が詰まっていて
そこに ....
あゝ、それにしても
時代の騒音は
どうしてこんなに胸に残るのか

夕べ、楽しい
笑顔の写真をみた
懐かしい、カーニバル
踊り狂った
ふたりの距離は
どんな不幸も忘れさせてくれ ....
鈍色空は僕の心
鈍色空は僕の気分
鈍色空は行き止まり

そうしてぼんやり全てに呆けて

僕の心に花野が開ける
狭い暗渠を通り抜け
あの無上の花野に至る
遠くの森はいつの日か
愛娘と歩いた森
今頃木々が色づいて
キラキラ綺麗に輝き出し
二人で辿ったあの道を
艶やかに照らしているだろう

 娘よ、お前は元気かい?
 今頃二十歳のその道を
 ....
天使だって、
死ぬんだ、って。

それは、
凍りついた川の岸辺に
天使の肉体がたどり着いていた。
なぜか、
人が、
人の心を、
疑い、
恐れる、
荒野の街の、
夕間暮れ。

 ....
「黄色い傘」

きいろい傘が咲いていて
わたしのうえに 屋根になっている

かさついた
この指は
皿を洗い刺繍をし文字を打ち

自由になりたくて
書いていたはずの文字に
とらわれ ....
曇天の下、

足早に通り過ぎていた街並みが

ぱたんぱたんと倒れ出す

書き割りの如く呆気なく

次から次に倒れ出す

後に残っていたものは

果てなく続く大地のみ

俺は ....
今宵、
白い部屋に
在るもの在るもの
自らの輪郭を鮮明にして
回流する澄み切った夜の空気に
すっかり馴染んで留まっている
横たわっている私もまた寛ぎ
在るものたちと繋がり合う
揺るぎな ....
開いた本の頁が
ほんのり茜に染まる頃
太陽は傾きながら爆発し続け
西空はやがて色彩渦の奔流となる
わたしは本から顔を上げ
地上の夕べの目眩く一瞬を
遠退く意識に刻み込む

夜闇が忍び込 ....
横断歩道の
真ん中辺りで
立ち止まる

逆行が背中に
突き刺さって
立ち止まる

誰にも気付かれず
すれ違っていく

自動販売機の
真横に立って
空を見上げる

夕日が瞳 ....
懐かしい未知は
遠く空へと続く道
気流の音が鳴り響く
大気圏を通過して
桜色した巻き貝の
トンネル抜けて
帰還します
波の跡が
空に残って
だけど
いつのまにか風が消していく
秋の雲はことさら
はかなげで
明日にはもう
冬のものになってしまうだろう

空は
海のなれのはて

今はもう絶滅した海 ....
埋もれた一粒の麦のことを
考えている

踏み固められた大地から
顔も出せず
根をはることもなく
暗澹とした深い眠りのなかで
郷愁の念を抱いているのか
夏天に輝く手を伸ばし
希望の歌が ....
   羽


 とんぼが旗竿の先にとまつてゐる。

 セルロイドのやうな羽の一枚が、半分切れてゐる。

 緑の縞の入つた黒い胴を一定のリズムで上下させ、三枚半の羽を震はせながら、とんぼは ....
なのに
たゆたうように月は光りつづけ
あきもせず夜空を見上げる
あなたの横顔が冷たい

聴こえるはずのない
化鳥の鳴きごえがした

なにかを奪い去る甲高い意志
その悲しみを ....
わたしの 中の 美しい言葉よ
わたしの 中の 憎しみの言葉よ
わたしの 中の 哀切の言葉よ
わたしの 中の 怒りの言葉よ
わたしの 中心 全ての想いを
燦き 輝き 憤って 震えよ
燃え上が ....
新染因循さんの自由詩おすすめリスト(160)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夢の蝶- ひだかた ...自由詩9*18-12-17
降りていく(改訂)- ひだかた ...自由詩6*18-12-16
初冬小曲- 石村自由詩21*18-12-13
真逆だからこそ_ちょうどいい- canna自由詩318-12-13
- ひだかた ...自由詩818-12-12
冬よ、進め- ひだかた ...自由詩8*18-12-9
結露が零れて- 朝焼彩茜 ...自由詩11*18-12-9
わかりやすい詩- 石村自由詩12*18-12-5
背中- ガト自由詩6*18-12-5
ことば、コトバ、言葉_を!- ひだかた ...自由詩818-12-3
垂乳根の月- 本田憲嵩自由詩718-11-28
街角にて- ひだかた ...自由詩9*18-11-27
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静かさ/窓/祈り- 石村自由詩23*18-11-25
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夜の砂漠- 秋葉竹自由詩918-11-22
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ちいさなちいさなことばたち_二- 田中修子自由詩1418-11-12
大地- ひだかた ...自由詩1218-11-12
時の開け- ひだかた ...自由詩12*18-11-9
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トランスルーセント- 1486 106自由詩21+*18-11-2
巻き貝- ひだかた ...自由詩16*18-11-2
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