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泣き声に驚いて、振り返ると
君はその夜も凍っていた
孤独の両眼の、睫毛の淵から
にじむ涙を、じゃないといいはる
綺麗な唇が、話しかけてくれるのは、
自分がいかにしあわせなのか、の、嘘 ....
振り返ればふと懐かしい
貴方に初めて出会ったあの海
少し照れながら話しかけてきたのは
貴方じゃなくって友達のほうだったね
ええすごく覚えてる
あの浜辺で砕けて言えばナンパされ ....
熱帯夜
あなたが
側にいるような
気がして
眼を開けた
やっぱり
今年も
会いに来てくれたのね
私、
去年より
14㎏も太った
夜の月光に
静かな羽根がやさしく舞います
てのひらを胸にあて
赤い血のつながりを確かめます
メガネの少女をいつものバス停でみかけました
そのときのその心には、
けっして忘れない ....
コーヒーは苦かった
ビールも苦かった
君のも苦かった
みんな我慢して飲んだ
だって背伸びをしないと
水面に浮上できなかったから
細い夕陽が差し込む
放課後の体育倉庫
湿ったマットの ....
汚れることができなくて
白いムクドリないたとき
歌と涙がきょうだいで
母はこころと知りました
嗚呼 父はだれ 父はだれ
さあ わかりません わかりません
わからなくてもよいのです
知 ....
飾らないきみの生き方に惹かれて
俺は爪弾いた
きみが今どの辺か想像してみる
あの頃 きみが少し見せてくれた未来の
ほんの少し手前の堤防を俺は
両手でバランスとりながら
なんとか歩んで ....
○父
窓から庭のブランコを
眺めることが多くなった
あれにはもう一生分乗った
と言って
時々体を揺らす
背中が
押されるところではなく
支えられるところとなってから久し ....
そんな簡単に捨てられるような
想いじゃないから
とりあえず玉手箱にでも
大事に閉まっておくよ
実はこの箱は逆玉手で
いつか俺が年老いたとき
100年分若返って
君を思い出せるように
....
信じること 信じられること
人のそばに いつも言葉があって
認めること 認められること
言葉のそばで いつも耐え忍んでいて
言葉は大切なのだけど
心が言葉と一致しない ....
なにもない場所をわたっていく
すーいすーいとわたっていく
今しも水面下では熾烈な争いが
繰り広げられていることも知らずに
アメンボだからしょうがねぇや
濃いも薄いもオレにはわかん ....
コンドルは空の神様から 灯りを探してこいとの命を受けた
それは世界すべてを照らすほどのとてつもなく強い灯りだという
コンドルは空の神様から翼を授かっていて
そのおかげで空を飛ぶことが ....
雨が降るから傘をさす
雨あがるから傘とじる
雨が降るから傘をさす
雨あがるから傘とじる
そんな日々に疲れたぼく
雨が降るから傘をさす
雨あがるけど傘をさす
雨 ....
たくさんの曲が最後の練習を迎え
本番を想定したリハーサルも終わった
降り積もる終わりたち
その言葉は決して否定的なひびきではなく
ひとつひとつ踏みしめながら昇る階段のように
....
カラオケの画面の歌詞を見ていた
5秒後の未来を盗む 完璧な明朝体
僕はそれをなぞることしかできない
その場所ではそいつが真実で
僕の歌声はそれに服従するコピー
鏡 ....
うれしくてうれしくて 走り出したとき
悲しくて悲しくて 泣き出しそうだったとき
切なくて切なくて 何にも手がつかなかったとき
ぼくはいつでも空を見上げていた気がする
ち ....
心の深みに入って話をするのが苦手なイルカ
太陽や月の光が届くほどに浅い場所しか泳げない
そこは優しさに包まれる明るい場所
だけどどこか不安定な場所
浅い付き合いをするのが苦手なサメ
....
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