孤独はいまも継続中だ
それが常態となってしまえば
たいした痛みも感じないものだ
ときおり非日常にきみがやってくる
それは僅かな恩寵でもあり
かすかな煩悶でもある
きみは花をアレンジ ....
人魚のことばは あぶくです
なにを しゃべっていても 語尾はいつも
めるふぇんて わたしたちには きこえます
うろこののこる おみあしは めるふぇん です
人魚のゆびさきは 笹船のよ ....
六月の空だったろう、と耳の後ろが云う
否 冬だったろう、ひんやりと肌が伝える
カルキ水に浮いていた
たちこめていたのか?
彼の頭頂部に咲きこぼれたという 青い花を思っていた
遠く ....
この夜を渡る
さかなたちは眠りをしらない
そういうふうに作られたから
それを不自由だとも思わない
・
時計台の上で
ねじまき係の少年が
ただ夜 ....
淋しいからひとり
サンダル履きの公園の夜は
ぺたぺた鳴って
つきあかりの ひとつ ふたつ
ジャングルジムに落ちて さらさら
こねこのあばらは細く細くて
何度 ....
こうやって部屋のなかから窓の外を見ていると、雨の中でしか生きられないけものになってしまったような気がする。穴ぐらのなかで、ひたすら雨を待つ。エサはあるのだが、自分のツメで獲物を引き ....
ぼくの肩に乗るピパは
足が一本かけている
だが ときおり
大声で泣くほかは
そこ等の蛙と大差は無い
ただ 知り合いの目利きによれば
それは伝説の金蟾(きんせん)なのだと
だから大事に ....
娘は将来アイス屋になりたいと言う
好物のアイスを好きなだけ食べられるから
ではなくて
沢山の人を幸せにしたいからだそうだ
いっしょにお風呂に入ると必ずその話題になって
バニラ ....
だから
ふりむかないことにする
いつでもどこでも
撃ってくれ
防弾チョッキは着ていない
君は
エプロンで
マシンガンだから
僕は
好きだったんだ
昆虫を描いてばかりいる少年が
今日は汽車の絵を描いた
たび
と口にしてみる
えい、やっ
気持ちをくしゃくしゃに丸めたい気持ちになって
余白にひどく不釣合いな
一匹のノコギリク ....