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ああ 青空が広がっている
ああ 雲が流れていく
ああ 子供たちの行進だ
あなたは喫茶店でアイスコーヒーを飲んで
独りになった朝は如何ですか?
眼差しは途方に暮れて
ああ ....
ぼうっと過ごしている
この午後の一時を
自動車の走行音
黄金に照り輝く瓦
微かに揺れる送電線
何処までも澄み渡る蒼穹
この私が今此処に存ること
この午後の一時を
ぼうっと過ごし ....
白壁に囲まれた部屋に
ゴオォと響き続ける音、
独り存ることの恐怖を
予感のうちに告知する
混沌蠢く夜闇の奥、
次第に姿を現し
魂に帰依することを
唯一の寄す処として
私は静かに目を瞑る ....
ああ風が吹く と
風を浴びる名無し人は
気流の鳴る音を聴きながら
ひたすら途方に暮れて
ああ風が吹く と
宇宙の冷たい感触が 朦朧とした頭に響く
世界の一様な無表情が 奥まる意識を取り巻く
(フォークとナイフがぶつかる音、砕けるグラス)
世界は今日終わるかもしれず
それなのに宇宙は爆発と沈黙を貫く ....
秋晴れや雲なき空の青深し
汝が静か深まる青に吐息つく
秋深まり君なき夜の銀河濃し
遠くで鐘が鳴っている
ひんやり切ない秋の日に
何処までも高い青空に
追いかけても追いかけても
決して追いつけないあの場所で
(金木犀の花が軌道を舞い
秋の大気が生まれるところ)
遠く ....
うねる雲を見ていたら
わたしは私でなくなっていた
わたしは流出して溶けてしまい
涼風とともに雲をかき混ぜていた
涼やかな風が吹いている
寂しげな曇天に包まれて
秋の気配が漂っている
僕は相変わらず臥せっていて
君の姿は遠くある
遠く響く君の声
僕は抱きしめ此処に居る
君、ぼくたちはどこから ....
月に行く夢に沈んで死の予感
漆黒に光る波間に浮かぶ声
枯れ葉舞う夏曇りの空の下
みんみん蝉の鳴き声が
ギラつき始める昼下がり
私は君に沈み込み
君は私を受け入れて
二人は一つに溶けていく
天蓋が開くのを待ちながら
苦痛と陶酔入り交じり
骨の髄まで溶けていく
台風が過ぎ
半開きにされた窓の外から
みんみん蝉の鳴き声
沸き起こっては
濁音となり溶けていく
熱射の夏、時の沈黙
銀河系の旋回する音が聴こえる
ベッドの上で 日がな一日過ごしては
....
雲が行く
夏空雄大に
雲が行く
時は刻々と移り進み
季節は淡々と入れ代わり
命は生まれ育ち輝き枯れて
人は何かに導かれつつ自らを更新し
雲がいく
大空悠久に
雲がいく
微睡みの午後、
熱風吹き
草木を濡らしていく天気雨
永久なる太陽の爆発を
束の間ベールに包む
時は始まりに向け終わりを紡ぎ
終点から反り返ってくる混沌の威容
この微睡みの午後に
発火し ....
視覚を失った思考、
わたしのなかで解放される
盲目となったわたしに、
異郷の光景、生き生きと立ち上がり
凍結した大雪原
輝く満天の星達の
巨大な光の眼また眼が
明滅し爆発し流れ渦巻き ....
ああ地球の青さよ揺れる草木よ
いつしか此処が異郷となるまで
おれはずっと微睡んでいる
静かに静かに息を継ぎ
夏の朝を泳いでいる
ぱたんぱたんと街並みが
倒れ出すその時まで
世界は時を刻んでいく
わたしが嬉しくても哀しくても
世界は確実に移り変わっていく
(人は生まれて死んでいき)
わたしの鼓動が途絶えても
世界の律動は止むことなく
続いていく響いていく
....
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