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初夏の雫を集めた、里芋の
透明な葉脈の裏側で
夏風の子が
小さな産声をあげる
まだ、うまく飛べない
棚田の{ルビ畦=あぜ}に沿って
緩やかな曲線を描くと
早苗に浮かぶ蛙が
水かきを ....
駆け足だったあの頃
{ルビ躓=つまづ}くたびに零れた
ぎこちない音も
こうして、つないでみれば
いつか、優しい旋律
奏でられる音階、の隙間
置き去りにした、いくつもの溜息
そっと、触 ....
今日は
どんな空を駆けてきたの
泣いた子 笑った子
みんな輝いて 一目散
おかえりなさい
この胸に
おかえりなさい
この温かい胸の、内に
追いかけてきたものは、何であったか
追いかけるべきものは、何であったか
あの蒼々 あの爽々
届くはずもないと{ルビ諫=いさ}められても
羽ばたく自由まで
奪われたわけじゃない
....
気持ちのいい場所で
気持ちのいい格好で
吹かれていたい
風に
ただ、風に
富良野に行こうと思うのさ
もちろん君を連れてさ
そりゃーいいところさ
水色の空の下で
パステルに揺れる
あのラベンダーの薄紫をすくって
両手からこぼれる
光の匂いを
嗅ぎまくりたい ....
放置された畑 咲き並ぶネギボウズ
バコン バコンと
プラスティックバットを振りぬいては
浅緑を空の彼方に弾き飛ばした
なぜそんなことをするのだと叱られたが
ネギボウズの高さが
ちょうど僕ら ....
手が
どうしようもなく震えてしまうので
病院へ行った
先生は左耳で一通り話を聞いたあと
(背中が汚れていますね
と、わかりきったことを言う
一列に並んで
背中を洗っていた僕の後ろには ....
たりぽん(大理 奔)さんの佐野権太さんおすすめリスト
(38)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
夏風の子
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佐野権太
自由詩
29*
06-7-20
初夏がまわしたオルゴール
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佐野権太
自由詩
15*
06-5-30
太陽の子どもたち
-
佐野権太
携帯写真+ ...
11*
06-5-23
風をくぐって
-
佐野権太
携帯写真+ ...
17*
06-5-2
たなびく心
-
佐野権太
携帯写真+ ...
14*
06-5-1
だから富良野へ行こう
-
佐野権太
自由詩
11*
06-4-26
少年のまま
-
佐野権太
自由詩
16*
06-2-28
汚れた背中
-
佐野権太
自由詩
9*
06-2-24
1
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