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△雨宿り
花見をしていて
にわか雨に
あった
雨から
逃れるのも
その花の
下だった
△枝
花をつけた
さくらが
つんと枝を
突き出している
さびしさを
突 ....
О
子雀が
路地のミミズに
飛べと説く
О
О
その病院は川のほとりにあって、少女の入院している病室の窓から、河口の様子がよく見えた。河口に近い岸には、小舟が何艘も繫留されていた。そのうちの一艘の白い小舟を、少女はことのほか愛してい ....
О
四月
南風に街が洗われていく
風が強く
烈しく吹くほど
街がきれいになる
風の後に
雨が叩きつければ
申し分ない
その後を
太陽が照りつけて
干す
そんな美しい街を
....
О
鳥の囀りも
夏が近づくと
野から
森の奥へと
移っていく
そこだけ
宝石箱を開いたように
光っている
О
○
少女は浴槽に柚子を浮かべ、
指で押して湯に沈めるのが好きだった。
湯に体半分沈んだ柚子を、前へ進めてやるのが好きだった。
少女は一人のときも、母親と一緒に入浴するときも、
湯に浮 ....
О
生きものの移動がつづいている
夏が近いからだろう
そろそろ 夏の支度をしなければならない
去年買って一度しか着なかった
あのティーシャツは
どこにしまっただろう
それを考えるだけ ....