すべてのおすすめ
今日も真夜中の向こう側から
たくさんの「タスケテ」が届く
本気もあればウソもあって
見分けるのはむずかしい
だけどアタシはとりあえず
見つけた全部の「タスケテ」に
「ダイジョウブ」って ....
光を求めて集まったのに
そのまま殺される虫のように
希望を求めて生きて生きて
その挙げ句に朽ち果てるとか
有り得ないことが現実になる
だって私は世界の中心じゃない
それでも運命って何か ....
「死にたい」
が
唇から零れ落ちる夜は
時間の粘度も高くなり
生きたまま
全身の血が失われていきます
苛立ちすら
霧散する無力感
【本当は】
【死にたくないけど】
【もう】 ....
重いテーマじゃない詩は軽いと誰かが言う
震災、津波、原発、自殺、貧困、差別、
そういうものを扱わなければ詩じゃない
そういうものを書かなければ詩人じゃないと
重いテーマを重い言葉で綴った重い詩 ....
しにたい
しにたくない
しぬしかない
花占いのように繰り返される
私を内側から溶かす呪文
唱えるたびに増えていく
細くて長くて赤いライン
決して消えない心の傷が
刻印と ....
長い階段をゆっくりと
転がり落ちていく乳母車には
誰も乗っていません
あなたたちが見たくないと
目をそむけたから
あの子は最初から
いなかったことにされました
だから
母の悲しみも ....
満開の桜の下に集う人々は
静脈のように透き通っている
花曇りの午後に風が吹いて
柔らかい水のような眠りを誘う
穏やかに笑う彼らの腕時計は
それぞれの時刻で停止している
目的も意味もそっ ....
誰かの娘であるアタシたち
誰かの妻であるアタシたち
誰かの使用人であるアタシたち
名前? 大切だから教えないよ
そんなの残らなくていいんだ
アタシたちがエモいと思ったこと
アタシたちが心に ....
あなたは少しだけ震える声で
言葉を世界へ解き放っていく
それは遠い未来の記憶だ
空のこと、風のこと、涙のこと
夕焼けのこと、無くした恋のこと
あなたが生まれた朝のことだ
そんなことは無 ....
巣から落ちて干涸らびた雛鳥の
虚ろな目が空を見ている
とっても綺麗だから
イヤリングにしたくなるね
ねえ、そんなに見つめても
決して辿り着けないよ?
それとも小さな魂だけは
この惨い ....
ヘンゼルとグレーテルよ
お家に帰ってはいけません
お前たちの薄情な父と母を
決して許してはいけません
両親はお前たちを捨てたのです
それも一度ならず二度までも
確実に死ぬとわかっていな ....
お薬を飲んでいる時と
お薬を飲んでいない時
どちらが本当のアタシで
どちらが本当の世界なのかな
そう思うたびにアタシは悲しくなって
紅のラインを手首に引いてみるんだ(何本も)
いつか再び
....
魔法はいつか醒めるもの
それも残酷なタイミングで
少女時代の楽しいお茶会
永遠に続くはずだったのに
甘いお菓子たちの余韻が
不意に舌先から消え失せて
一緒に王子様の噂をしていた
乙女 ....
雨が近づくと
植物の匂いが強くなる
それはまるで
隠す気のない事後のようで
私は好きになれない
(きっと
罪悪感の裏返しね)
彼の車に乗って
高速を使い海へ向かう
やがて雨が降り ....
アンタはねぇ
産むつもりなかったのよ
子供なんて
別に欲しくなかったし
ああ、やっぱり
流しとけばよかった
ごめんねぇ
もう母さんたちダメだわ
アンタたちだけ
....
生まれる前の闇に
ぽつ、ぽつぅんと
浮かんでいる
光の結晶たち
(すっかり消費されてしまったね)
アタシの葉脈を
衛星軌道上から観察した彼が
火曜日の声で呟く
(きっと
....