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言葉は発するそのたびに
重さを無くすものだろう

夕暮れを黄昏と言い換えて
寂しさを知ったフリをした
恋情に過去を積み重ね
大切さを説こうと試みた

引き出そうとする単語は
聞き覚え　.... 十九時半を過ぎた家路は
真夏に向かう季節を否定するように
涼しげな風が混ざっていた

真白のワイシャツを腕にまくり
処分し損ねた書類の束と
定時と共に引き剥がしたネクタイ
ボロボロの財布　.... 一泊五千四百円の
十階から覗き込む
見慣れない街の灯りは
夜が更けるほど明るく
時が経つほどに寂しい

小窓から隣の駐車場を覗くと
一人きりの姿が振り返り
何故だか視線があった気になり　....

北野つづみさんの松本 卓也さんおすすめリスト（3）
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