すべてのおすすめ
頼りない指先で
ちょうちょ結びをしてみせる
羽の大きさをそろえようとすると
紐の長さがあわなくなって
悔しそうに
また結び直している
手をつないで歩くとき
からめた指がほどけない ....
一週間も社会にでていれば金曜の夜には心がカチカチなので
硬くなった心をすこしでも揉み解そうと長くお風呂に入って
みる。電気を消してずずっと湯船につかって口と鼻との間に
水面がくるよう ....
「あけみ」という女の子の話。
違うかもしれない。もしかしたら僕の話かもしれない。
あけみが僕のそばにいることに気づいたのは彼女の一周忌の夜
彼女にはとても好きなカクテルがあって
僕は供養の ....
湯船につかり湯気と遊ぶ
壊れて消えるシャボン玉
ウルトラマンの頭にして
元気のない妹を笑わせた
笑顔が嬉しい
他の何よりも
妹の笑顔が私の宝
あの頃から今もその気持ちは変わらない
幸せ ....
せっかく育った野菜たちが
不機嫌な嵐に踏みつけられた
土砂にまみれたレタスたち
店先まで行けるかしら
町のスーパーで
どうにか並んだレタスたち
一個400円は高すぎるの
それでも
....
現代詩フォーラムに投稿すればどんなにくっさいうんこだって詩になるんだぜ
ほら起きなさい、と
布団をめくったら
息子が石になっていた
くしゃくしゃパジャマの真ん中で
小さな石だ柔らかい色の
まだ磨かれも割れてもいない
服着せようにもサイズが合わない
....
削れたコーヒーカップの
春を容れることができないところが好きだ
ぼくに季語はない
季語をもってる人は
季節がくると
花が咲くよ
手から 花が
....
「ホーム」 「ホーム」
あなたと私 君とぼく
線路にほんぶん ....
もう、今年の秋はどうなってんの?
台風だらけジャン。
十三年前を思い出すよ。
僕が中学三年の時のこと、
伊勢湾台風とほぼ同じコースでやってきた台風十九号、
僕の中学の校庭 ....
窓辺にいる子は
みんなふるえて
綺麗という字を
こわがっていた
だって
かまきりみたいだから
{ルビ医師=いし}らバス{ルビ停=てい}にいてすばらしい
{ルビ酸欠=さんけつ}さん{ルビ診察検査=しんさつけんさ}
{ルビ残念捻挫=ざんねんねんざ}
インテリ{ルビ庵癌=あんがん}あり{ルビ転 ....
振り向くと沖に知らない人ばかりになってこわい
貝の表面についてる回虫みたいな模様がこわい
高波が何でも持っていこうとするからこわい
クラゲが知らないうちに沢山わいてこわい
あが ....
風呂上りの
君のお尻をムニムニした
ほの温かくて
無防備だった
心が休まる
柔らかさだった
パンツ穿く前に
もういちどムニムニさして・・・
けっして色っぽくはないけど
夫婦の幸せ ....