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ゆっくり育つ息子が
五歳にして
歩き始めたので
日曜日の公園へ連れてゆく
小さな影は、{ルビ日向=ひなた}にのびて
ひょこひょこ歩き
地べたに尻餅をついては
砂を、払ってやる
....
キーツが本の中から語る
細い川の流れが、視える
道を歩くわたしの影にも
細い川の流れが、視える
時代も国も
異なる二人の間を
結ぶ
ときの川のせせらぎに
耳を澄まして歩けば
....
やがて夜は更けゆき
恐れと不整脈は
徐々に…消去するだろう
私はゆっくり「扉」を、開く
(微かな光は隙間から洩れ)
まぶしい彼方から
誰かの影が
一通の手紙を携え
こちらへ歩い ....