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くさくさする夜だった
何もかもがうまくゆかない
できたと思った即興のソネットは
書きとめようとした途端に
すべて蒸発してしまった
くさくさするこんな夜に
あなたにはごめんなさいを繰り返 ....
春に出会う
あたりまえのように
それが君だった
日々があった
見えるものは見えるもので
見えないものは見えないもので
見えるものを二組の目で見て
二人はたまたま近い気持ちを感じた ....
心のなかの晩秋は
村雨ばかりの降りしきる
そこへわたしは土足で立ち尽くし
自らを裏切り続けている
かなしみ屋の通り道で
一等かなしいラブストーリーを と
けれどいつまでも訪れず ふ ....
街路灯に恋したらしいサルスベリがあって
幹はもう真っ直ぐにはもどれないだろう
と 私などが案じなくとも
それでも愛しくも切ない一本であり
九月の散歩道で出会う度に花の
その数や勢いをまで ....
からだが、あたまが
ことばでほうわじょうたいになって
もの、すごい、吐き気
けれどかたちをなさないことばたちには
市民権があたえられない
リアルに、はきたくなって、くちにゆびをつっこむ
ご ....
夏の花が好きな人は情熱的なあなた
燃やし尽くせなかった心残りを思えば
わたしは墓標に毎日くれないを絶やさない
秋の花が好きな人は人嫌いのあなた
この世に未練なく旅立ったことを思えば
わた ....
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