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暮れかけた空に
光る星の名を
あなたに教えて貰った

それは生きるのに
役に立たなくても
心に花咲く同じ記憶よ

図鑑と懐中電灯の
隙間を越えて
指差す方角に
位置を求めた

 ....
頭の中の
折り紙が一枚

翼を広げて
羽ばたいていく

飛行機雲の
交わる中心に
何かがありそうな
期待を乗せて

水溜りに映る
青空へ触れて

ガラスの表面を
砕くよう ....
壊れない社会のジップロックで
閉ざされた心が温められて

喜びの沸点を分かち合うような
家族がいれば幸せなんだろう

目の前の線路をコピーしても
繋ぐことがうまくいかずに置いた

動 ....
鍛えた体と星を比べると
熱い胸の音が肌に届いて

瞬きはいつか
消えてなくなる

朝だろうか
雨だろうか

色は鮮やかに記憶を結び
命は穏やかに鼓動を早め

見えない時間を
 ....
都会のスピードに慣れようとして
おもりを外した身体で生きる

良く見えない星に掴まるよりも
ネオンの明かりが無個性に光り
次から次へと流れていくから
タクシーを止めるのが下手だった

 ....
水に溶かした
これまでのこと

光に透かした
これからのこと

誰にも言わないのに
君は知っているから

明日よりも
もっと先にある
希望のベクトルで
待っていてくれる

 ....
お父さんの靴を履いても
まともな足跡ひとつ残せず
デタラメな未来を歩く

人の真似ばかりすると
自分を見失うから
23.5センチの勇気で

追い駆けたい夢
追い越したい人

出来 ....
幸せにするよという
約束とは違う

地獄の底でも
おめかしをして
腕を組んだり

傘を盾にして
絶望の雨から
君を守りたい

刻々と変化する
心の形を
交換しながら

返 ....
手ぶらのままでは帰れないという
骨格の上に成り立つ体を

優しい言葉のレシピを添えて
引っ張ってくれる人が良かった

甘えたくなって誰もいなくて
黄昏にダイブしてもいいよね

寂しが ....
あなたが不在の永遠を生きる
それが孤独な愛の証だから
パズルのように未来を埋め尽くす

いつかはと願った希望を胸に
時を過ごすのは退屈じゃないよ

あなたはまだ私の目の前で
笑ってくれ ....
時の扉に挟まれた爪で
やり直せない歴史を引っ掻く
それは黒でした

傷付いた方が爪だったとしても
切れば伸びるから痛くはなくて

蝶のように死んだ体でも
美しいなんてちょっとズルイね
 ....
何もなかった
透明な関係性に
絵の具を混ぜて
色になりたかった

忘れるから
約束はしないという
約束だけ覚えて

どこへ行くつもりなの
連れて行ってとは言えなくて

縫い目が ....
僕が生まれた日に
鳥は逃げた
命を貰ったような
気がして
空を描くことを
続けている

本当は飛べる
力があるのに
落ちることばかり
心配してさ
そうならないように
愛を描いて ....
赤い鞭が腕を滑って
削ろうとした生命線よりも
傷跡をひとつ手首に増やし

生きてることを感じられるために
私は今日も罰を受けています

剥き終えた林檎の皮のように
渦巻く心で毒を溶かす ....
桜の一枚がハートに染まる
私の心は春に愛された

ひまわりの花が私を隠し
幻のように夏に消された

金木犀が思い出を連れて
私の日記は秋に流された

銀世界が口にマスクをさせて
私 ....
ポスターの中に
青春を飾り
剥がすタイミングが
分からないまま
四隅に止めた
セロハンテープが
粘着力をなくして
おどける

この世にしがみ付く
未練もなくて
日焼けをしたから
 ....
あんな風になれるのだろうかと
優れた人の力を見る度に
希望と絶望の点滴の音
溜め息と唾を吐きながら捨てる

大型の台風のように去って
僕の心に残った濁り水
透明になるまで何度も洗い
自 ....
君の代わりに抱きしめるカーテン
薄いレースは白く軽やかで
向こうの世界が透けて見えるから
触れると熱くて破れそうになる

窓際にやって来る風の唄や
耳を当てると何かが聞こえて
レースの擦 ....
子供の夢を壊さないように
ビー玉は瓶の中で泳ぐけど
僕等が触れようとする時には
チリンと音を立てて断るんだ

自転車がベルを鳴らすみたいに
ビー玉は透明な道を通り
トンネルの先に出口があ ....
君が誰かの胸で眠る間
ひとりで強く生きているんだから
助けてと言わない人になりたい

私とともに詩が目覚める時
いつもそこには大きな穴があり
入り口と出口を間違えながら
少しずつ背が高く ....
どうして君は笑わなくなったの
僕の前で見せる顔といえば
うつむきがちに視線を外して

輪郭をなぞるための愛撫に
シャボン玉の泡でも近付けない

どうして君はすぐ行ってしまうの
追い駆け ....
Tシャツの上にプリントされた
ネクタイの模様は僕のように
子供と大人の顔を持ったまま
世界へ出て行く覚悟がなかった

寿命が伸びてるこんな時代に
敗北を認めるのは早すぎて
夢はひとつでも ....
遠すぎて不安になった心が
ポケットの外で鈴を鳴らした

助けてという言葉の代わりに
瞬きの音を残してゆくよ
りんりんりんと見つめる夜空に
リンリンリンと電話を掛けたい

あの人の番号を ....
出口の側で
渋滞したまま
高音の列が
信号無視する

環状線を
走らせる車の
クラクションが
すれ違う間は

空気に酔って
五分という
思い出を
作れない
細くて折れそうで派手な服着た
夏の手首を掴んで離さない

マッチ棒の頭から貰った
火がつくと音が鳴り弾けるね

空に落書きする光のチョーク
円を描くと星が消えるような
夜があっても不思 ....
雑踏の中を駆けてゆくまで
見送って欲しい僕の踵が
靴紐の解けた蛇に睨まれ
つまずき転ぶ日もあるだろうね

窓は平等に光をくれて
ブラインドの羽根で目隠しをした
外の世界を封じ込めたって
 ....
響きあう音が
空を渡って
スカートの上に
着陸した今

両耳の中で
澄み切っている
名もなき歌が
青春になるよ

うなずくだけで
始まる恋をして
長く続いたら
寄り添っていよ ....
青ざめた色の街に浮かんだ
窓の灯りが魂だとしたら
チカチカと光る白い頭は
あの家できのう死んだ人のもの
省エネのために消してはいけない
散らばりやすい心を束ねて
ただ一点を見つめる強さを
時間の経過と共に生きるよ

名前を与えられると変わらない
星座のように輝くためには
指先で振るタクトを動かして
カレンダーをめくる技を ....
湧き上がる欲望に正直で
下着を脱がせたくなったあの日
バービーの透き通る白い肌が
消毒されたように冷たくて

人を殺してしまった気がすると
同時に人形の長い髪の毛を切った

それはまだ ....
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