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何も誇るものはないというのに夏と
誇らしげに肩を組みまた来年と囁いた

飽きれるように笑って夏が歩みさって
中央通りの真ん中に蝉を落としていった
入道雲を墓に見立てて空に還してやれば
雲た ....
北の地を放浪しても
得るものは老いた馬の
澄んだ瞳だけだった

若駒とともに嘶いたが
そのように走れなかった

鞄をひらきぶち撒けて
夢も希望も熱狂も棄て
敗残兵なりに鞄は軽く

 ....
ねこのお腹は温かい、ね
アスファルトに倒れて
春を殴った肩よりも

ねこのお腹も温かいね
初めて内臓に触れた朝の陽に
射られ冬を齧った犬歯より

切り裂かれていく弧をえがいて
腹でも ....
いつものように歩いていたのに
いつものように犬と散歩していた夜に
いつもは足を止めもしない場所で

足が歩みを止めて犬が不思議そうに
足のまわりをくるくると回っている

線路下の細い道が ....
ここは私の国ではないから
わたしの言葉は通じません

何を言われているのか言っているのか
水の中で互いにぶくぶくしながら
ただただ息苦しくてしがみついてたから
爪は剥がれ肉も削げて皮膚のし ....
一輪車さんの帆場蔵人さんおすすめリスト(5)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夏を慰撫する歌- 帆場蔵人自由詩3*20-9-18
海への帰路- 帆場蔵人自由詩6*20-4-21
冬の虹はありますか?- 帆場蔵人自由詩320-4-19
来訪者- 帆場蔵人自由詩9*20-1-14
私の国- 帆場蔵人自由詩5*19-4-3

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