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右の肩を少しだけ上げて
顎を窓の方に傾けて
見える景色は空気の色が違う
雨の滴は線になって
薄い紫色を含み
アジサイを想い出させる
ひとしずく
音を響かせて
ほかのすべての音を ....
陽射しが強いほど
萎えていくこの心は
もうすぐ干からびてしまうのだろう
唸ることもなく
放り出されたこの四肢からも
汗は流出を続ける
目蓋はすでに重く
さらに灼熱の深淵へと
この身体は ....
血の滲んだ跡が
愛おしくて
頬に押し当てたまま
夜が明けるまで
このままでいよう
舐めるでもなく
拭うでもなく
頬ずりして
頬ずりして
一晩を明かす
なんでもない
大した ....
熱を含んだ空気が舞う
まだ春だというのに
新しい制服は
この肌に馴染まない
だから遠くへでも行こうか
誰かの悲しむ顔は見たくない
けれど自分でいたいから
夏の気配が確かに漂う
まだ肌寒い夕方
この居心地の悪さが
不気味にすら思われ
全速力で駆け抜けようと
試みた後で思い出した
速くは走れないことを
あんまりにも格好悪くって
笑って誤魔化 ....