すべてのおすすめ
洋服は
長袖を着たけど
心はどこにも仕舞えない
光に晒されて
その瞬間は
頬が緩んだ
綺麗なものの側にいたい
例えば金木犀
むせ返るような甘い香りが
降り注いで
立 ....
他愛のない見切り発車のなだらかではない
閉ざされた苑への口は穴ぼこだらけで吠え狂う
荒々しい岩肌の位置を保てないから真っ直ぐで
ざっくりとした網目のくぐもる残照の少ない方角へと
向こうに回して ....
リ・サイクルする私の中で足りない言葉を探し出している、家具の中の誰かの匂いと、太陽に照らした時だけ浮かび上がる魚を捕まえた、という君の言葉にワクワクしたんだ、だってそんな姿美しいじゃないか、ワタシとい ....
内部から
現れ溢れる
言葉たち
色とりどりの
増殖する円の群れ
熱を帯びている、燃えている
交わり結び
捉えられ
ひとつのおおきな詩に溶ける
ひとつにひび ....
覚醒する意識に
一瞬が泡立ち
永遠が開ける
熱風吹く青の下、
日傘をさした人々がいく
歓びに充ちて
凝視する
世界は光
永遠の戯れ
渦巻くような痛みのなか
見上げた空はただ
青かった
渦巻くような祈りのなか
見上げた空はただ
無関心だった
夏に
黄昏ゆく世界は
息を呑むほど美しく
わたしという存在が溶解し
....
うちの猫と意思の疎通がなくて難渋している
トイレのそとにそそうはするしダイニングのテーブルで爪をとぐ
妻と意思の疎通がなくて難渋している
彼女にはトーマスマンの魔の山のような療養所が必要だ
....
僕が産まれた理由はわからないけど
後から考えればいいやと産まれて
僕が生きてる理由はわからないけど
後から考えればいいやと生きて
僕が死んだ理由はわからないけど
後から考えればいいやと死んだ ....
私は不思議でたまらない
土に種を蒔くと
芽が出てくるということが
私は不思議でたまらない
うちのワイフが
私と何十年も付き合っているということが
私は不思議でたまらない
私がこの世に生を ....
詩に制限はない
書き方に制限はない
自由しかない
想いのまま
詩というものが生まれる
言葉の雨が降り注ぐ
スムーズに詩の形になる
詩の雑誌を読む
オリジナリティが
光を得 ....
あとのことをあとで考える
寝室でハミングをする
パイのことを思い出していた
皮が厚くて温かいミートパイ
雨上がりの曇った空気は気持ちがいい
なにも考えないほうがいいのに考える
今までも震え ....
始めたい
冷やし中華を
この暑さの中
よく冷えた黄色い麺を
ツルッといただきたい
よく冷えたハムとキュウリと
生暖かい錦糸玉子を
口の中に含んで
甘酸っぱい汁で喉を潤して
まずはそれ ....
この祈りにも似た感情は何だろう
君よ 変わりはないか?
めしはちゃんと食っているか?
困ったことはないか?
夜は ちゃんと眠れているか?
大切な大切な君へ。
素晴らしい人生が開けま ....
山の上のほうまで
住宅地が広がっている
砂浜が小さく見える
様子が見える
海に行きたくなる
一番高い場所にマンションがある
見える景色を想像している
砂浜が良い雰囲気を生み
....
仕事に客観性が必要なように
恋にも客観性が必要なのです
ときに役者を壇上から駆逐して終末し
ぼくも転げ落ちてよくこころの怪我をしたものでしたが
いまも同じですがね
人は一生見習いなの ....
俺の事がわかりそうにない人への
言い訳のために俺は喋ってきたけど
そういうのん俺には向いてへんからな
逆にお前らの方が俺に言い訳してくれ
お前らの事いっこもわかれへん
頼むで
看板だけのちんどん屋
叶姉妹みたいにけんちん汁なのかも
美は売れない
すべてのマーケットを閉鎖して
自給自足で恋もするんだ忙しいけど
ぼくはポケットにコルトを忍ばせて
犯罪者で ....
ほんとなら詩が書けるのに
ただ呟くことしかできない
あなたを探してる
早く別れたかったあなたを
良くも悪くも
私に興味あるのは
あなたしかいなかった
たとえ恐怖を覚えても
探し ....
奇妙なものに
取り囲まれ
見知らぬものの
浮き立つ
わたしの回りで
しなやかな輪舞を
繰り返し
奇妙なまま
見知らぬまま
ひたすらに
自由を分節し
いつしか
あっけなく
呑ま ....
残雪の雪堤に生える、枯れた大木の一日は、花曇りの朝にはじまる
若い山毛欅たちの、狂おしい花粉が、残雪の上にばらまかれ、禁断の春をむかえている
息をしなくなって何十年も経つ、その山毛欅の大木は、すで ....
立て続けに削ってた
たてつづけにけずってた
寝て来るか。あの本当のうどん仄明るくてね
ねてくるかあのほんとうのうどんほのあかるくてね
旅立つ場を、頬張った日だ
たびたつばをほ ....
朝焼け
あなたの赤だ
あなたの時間が
空を染める
配達の車
足早のジャケット
私?
私は
愛されない人たちだけが
空を見上げる
空は嘘をつかない
流れるだけだから
....
ぼくの飼い主さんに二人目の赤ちゃんが生まれて
ぼくは今かまってもらえない
この前ぼくがうんちした時 溜息つかれた
まぁ溜息出ようがトイレきれいにしてくれれば
問題はないけれど
ぼ ....
迷っているひとほどしをほしがる
おなかがすいたらしは遠くなる
絶望のとなりにしはある
しという文字はまがってる
それは釣るためひとを
私は釣られないぞ
そうおもった ....
なめし革一枚に隔てられた人肌の感触
この一文に高揚する心
困惑し
驚愕し
恐れ慄き
それでいながら
触れてみたくなる
欲望を
衝動にかられないよう
自制を試み
それでも ....
窓から覗いた二つの目が遠く潤んでいる。
心は情景に溶け込み白茶けた街はとても静かだ。
まるで初めて見るかのようなその街の光景はどこか異国の匂いがする。
灰皿の上では吸いさしの煙草が紫 ....
ほんとうの自分のことを
わかってもらうことは
誰かをそっとこころのなかで
信じるということでした
あの日を
僕らが生きていること
すでに静かな風が通りすぎるように
深い森林と広い草 ....
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