すべてのおすすめ
探偵気取りで
僕を追い詰める君は
実に卑劣な手段で
その機知を利用する
もちろん君のじゃないさ
僕のだよ
この僕の狡猾さを
叡智を
企みを
ものの見事に横取りして
明るみに ....
懐で古銭をじゃりじゃりさせながら
暗い大通りを歩いていく
多くの脇道が横に伸びていて
かつてここを一緒に歩いた人が
上から見ると「馬」の字になっている
と教えてくれた町
何百年も前に大火の ....
防波堤に打ち付ける、波
全てをさらっていく
泡沫が少し
澱みに残るだけ
日がやけに低い昼下がり
人の姿もなく
旅の友は、おねだり上手なカモメ
行先不明の私は
いつだって
迷ってい ....
空にはもう
手が届かない
真夜中、
潤いが消失した部屋で
繰り返し観たものは
果てしない砂漠での蜃気楼、の夢
瞳を覆う
色が無い眼鏡の、曇りをふき取っていく
余分なもの ....
ジンジャーエールの
薄いこがね色に光る泡を
優しく、かき混ぜ、溶けるように
わたしの過ぎた惑いを
散らしていった
冬の早朝に舞い降りる霜のビロードで
肌のヒリヒリする感触が
....