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台風のあと散らずにいた
白い小菊の花びらの中に座り
濡れた髪など乾かしながら
やっとひとごこちつく
清涼な香りに
生き返るここちする
草むらで横たわった猫は
生き返らなかった
その ....
立ったまま
枯れている
あれは
孤高の命
もうおひさまをおいかける元気もないし
だれかをふりむかせるような輝きもない
けれど
おまえがひまわりで
凍えながら
戦い続けているこ ....
糖蜜工場が爆発したことによって
甘い蜜たちが
静かに街を流れ出しました
その粘度たるや
もう人の手にはおえない類のものです
アスファルトの上の蜜はそのまま冷えて固いかさぶたとなり
土の上の ....
あの頃
きみはまだ産まれていなかった
着床しない
小さな種だった
人はなぜ産まれてくるんだろう
人はなぜ産むんだろう
いつか手ばなす命であるのに
わたしが
影も形もない頃
少 ....