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風が歌わない日にわたしたちは何を聴こうか
再生し続けることで乾く色彩の体温
その沈黙まで指先で縋るように諦めながら
待っているどちらでもないひとつの結末を
インプットしてきたものが違う ....
月の鵜が他界していた
籐椅子の上で月の鵜は
死に絶えた顔をしては
十二月一日にのしのしと出歩く
神の明らかな公務によって
神から死を賜る
月の鵜が他界すると
新撰組が動き出す
「誠」の ....
納豆のカラシ
ぜんぶは入れない
納豆のカラシ
小袋に残る
納豆のカラシ
可燃か 不燃か
納豆のカラシ
とりあえず 可燃へ
納豆のカラシ
今夜もまた ....
落剝した姿で
八十八箇所を巡り
たどり着いた庵で
小さな蝋燭を売る
食事も採らず
墓場に晒された髑髏を盃に
夜中には安酒を呷り
浮かんでくる呻きに驚き
萎縮する
四文字熟語に ....
芝刈りに行くと
レシートに半額しか記されて居なかった
そんな日に無糖な日差しが
眩しくて
黒色のチューリップを撮れずに
代わりにお地蔵様の写真を撮りました
丁度階段から降りて来て
降り切 ....
暗めの楽譜を渡されると
気絶する私は
塾で高熱を発したので
テレビの字幕を眺めながら
画面のサイズを変更した
釘を打ち込むと
氷は容易に破片と化す
旗を高々と掲げるクック船長は
服を部 ....
雪の無人駅
雪を掃く係りのものが雪を掃く
何でもないコンクリートの踏み板の上を掃くものがある
待合室の歌謡ショーのポスターからさびしさのしたたり
掃き残した埃と雪の混じった少し硬いものをさらに ....
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Dead
グルタミン酸に溺れて死んだパパは僕の前でいつもママを嬲ったのさ
トカゲの尻尾と沢庵の半切れが似ていると呟いていた僕の初恋の子はアシッド好きで
教頭の車のボンネッ ....
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