すべてのおすすめ
透明な板に仕切られた街で
鳥は哺乳類を呑んでいる
人は 恐れて近づかない
板と板のはざまを
皆 目をそらして通りすぎ
空を忘れた鳥が見つめる
径の終わりでま ....
額の上の
紙の風見鶏
けだものはただ聴いている
手のひらのなか冷える円柱
空のはさみ
晴れとしずく
風と渇き
音と苦み
筒の空を伝う水
上の上 ....
何か小さな祝いの言葉が
ずっと背中に降りつづいている
鉛の泡
砕ける冷たさ
夜が夜を着ては脱ぎ
雪を渡る光を見ている
そそぎ そそがれ
そよぐうつろ
....
雪の頬 雪の頬
おまえは触れぬ
いかずちの音
花に花に 到かぬ音
熱は奪い 熱は伝う
あえて語らぬ事のために
やすらぐ心は冷えてゆく
水の向こうを 転がる ....
流木と焦木が
河口に混じり
川辺の火を見つめている
低い 低い月の渦
見えない雑踏にまみれ
等価を与えられる
抱くと同時に抱かれるかたち
水で水を受け取るかたち
....
死も生もなく笑む波を
取り囲んでは光の渦の
散らばる視線を集めて白の
ひとつの樹にだけ降る午後の水
二重の種子の太陽
淵に滲む光
数倍 数十倍にふくらみながら
....