六月十日『アオゾラ・Keep』
梅雨明けて。失語の雨ぞ、降る。
つぶつぶの「神を噛んで」応える水よ
テロリズムのエーテル。生きていたい
虹のように犬のように、平 ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている
父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
逆巻きなさい、酒巻よ
我らが主人公の名は酒巻である。これを読んでいるあなたの氏姓が酒巻であったとしても、またあなたのお住まいが埼玉県行田市酒巻であったとしても、それは単なる偶然の一致に過ぎないの ....
彼女と喧嘩して
いい加減にしろ
と怒鳴るつもりが
いい加減にすれ
と言ってしまった
こらえたがやっぱだめで
吹き出してしまった僕の
少し後に吹き出した君
ふたりで涙を流して ....
半起ちの牛若丸が駅前にすべり込むのさ黒塗りのクラウン
バロックと不感症との相関をチャイナドレスで教授されたし
祈っても駄目ならでっちあげるのよ神様からの着信履歴
何度でも生まれ変 ....
風が私の輪郭をなぞる
私は風によって顕れる
その刹那
私は世界だ
世界が終わるとも
声は続く
風の意志は続く
世界は風によって名付けられ
名は風に隠されている
声は名 ....
ショベルカーが解体する工場を見て わたしは殺してしまったものを思い出す
固形したアスファルトに耳を付けたのは奇行ではなかったのだ
ショベルカーが工場を解体するのを見て 木々は歴史を構築し出した
....
らんららん 出張中の男の洗濯をしようと乙女心を持参しアパートへ向かったら
まさに今 女にまたがろうとしている男と遭遇
鍵をかけていても私は合鍵を持っているのだから男の防衛策意味なし
セコムしてな ....
いつもララしてる
おねーさんのお目目は困ったくらいの蜻蛉球で
少しずつ村の人が齧っていくものだから
少しずつ世界が薄くなっていったけれども
その度に縞模様が増えていくので
おねーさん ....
エミリー
あなたと最初に出会ったのは羊水の中
あなたは何も言わず
私を蹴って押し出してくれました
あなたはそれっきりそのままで
難産だったと語る母にあなたのことを訊いてみたのです ....
イメージするということ
たとえば
ゴキブリいっぱいのプールに放り投げられるということ
眠っている間に鼻の穴から寄生虫を入れられるということ
イメージするとい ....
感情の吐露です
それは美味いのですか
脂がのってるのですか
私は場違いではありませんか
大将、
はちまき ずれていますよ
ずれているのは何だっけ
そ ....
ありがとう
うまかった
ありがとう
まずかった
いつも
いつも
飢えていて
ありがとう
食べてきた
皿盛りの肉
絞った蜜
犬の舌焦げ
ありがとう
母の ....
わたしは、男のおかあさんと暮らしている
男のおかあさんは、働いているので忙しい
男のおかあさんは忙しいので、わたしは留守番をする
わたしは遅くまでひとりで遊んでいるので、いつも眠い
男のお ....
色褪せしカエルの背をなでやりつ人差し指はものひきつらす
日暮れれば花弁を閉ぢる花と知らず植ゑてよりわが昼は呪はれ
土くさき夜気につつまれ甦る記憶くるしくのびる根のごと
街路樹の根の垂 ....
サカナさんのおすすめリスト
(105)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
『Seventeen_Plus』
-
川村 透
自由詩
5
04-8-7
肉じゃが
-
窪ワタル
自由詩
60*
04-7-31
逆巻く酒巻
-
佐々宝砂
自由詩
5*
04-6-1
すれ
-
ミサイル ...
自由詩
61+
04-5-18
病にロック
-
石原大介
短歌
23*
04-5-8
かぜ・こえ・かくれな
-
いとう
自由詩
17
04-4-27
形象うみだされた背理背徳の情景描写拍子や病死や気を付けて頂き ...
-
黒川排除 ...
自由詩
3
04-1-30
正三角形
-
石畑由紀 ...
自由詩
24*
04-1-29
白紙
-
嘉村奈緒
未詩・独白
4
03-12-8
エミリー・エミリー
-
いとう
自由詩
63+
03-11-24
Imagine._And_imagine.
-
いとう
自由詩
32
03-11-23
寿司屋にて
-
嘉村奈緒
自由詩
60
03-11-18
食べてきたものたちへ
-
k o u j i * ...
自由詩
29*
03-11-15
男のおかあさん
-
サダアイ ...
自由詩
13
03-11-15
人差し指
-
渦巻二三 ...
短歌
9
03-7-14
1
2
3
4