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通り過ぎていく宇宙の裏側で
時計の針が時を刻むのと同じ速度で
善は一つずつ砕かれていった
冷気が朝の静寂と混じり合い
草の色が淡く変わっていく中で
夢は一つずつ壊れていった
....
朝陽は陰々と降りかかる、その日の人々の通勤に結論を下すため。人々が夢から生まれ、途端にすべやかな仮面とともに成人するのを見届けるため。電車は巨大な獣のように息を荒げて疾駆する、人々を腹の中に収めてはま ....
金井雄二の詩集『朝起きてぼくは』を読むととても安心する。なぜならそこには見慣れた「生活」の光景があるからだ。金井は特に気張って「詩」を書こうとしない。「詩」よりも「生活」を重んじるのが彼の立場だ。だ ....
平熱の日々には
ひとの軸が熟していく
高熱のうめきも低熱の苦しみも
何もないので表面はなだらかであるが
ひとの上へと落ちてきたものは
どこまでも着実に収蔵され
ひとを通過する静かな ....
雫が膨らんで
水の花を咲かせた
春というあいまいなかたまりが
名前を速やかに消し去った
ためらう太陽の灼熱に
逆らっていく風の翼が折れて
時間は無限に挫折を繰り返す
英雄の墓が芽を吹き
....
朝はどんな時刻にでも既に始まっている。早朝でも真昼でも真夜中でも、すべての時刻に内包される原時刻として朝は既に始まっている。朝は一日が運動するにあたって、その駆動の弾性を持つ時刻としていつで ....
誰もいない駅のホームで
私もベンチに座りながらいなくなった
目の前を横切る自動車たちも
時間の速力に負けてきれいに消滅していった
陽射しが背中から射し
線路越しに落ちる駅のホーム ....
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