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さっと
拾い上げて行く
まるで
風が
降り積もった粉雪の
上澄みをさらって行くように
わたしたちの
真実を
積雪の中に
置き去りにして
そうして駆け巡る冷風が
冬の
いたず ....
耳元に
毛細血管の危うさで
流れゆくのは
私の心臓
体中を駆けめぐる
火照った愛撫が
暴れ出すのを
待っている
水の臭いは排水溝へ捨てた
吐息を微かに白くして
私の心臓は
....
つらいの?
私はワタシに聞いてみた
つらい
ワタシは答えた
そっか、ふて寝した?
私は続けた
あまり眠れない
ワタシが言った
眠ったときは、いないよね?
私は問うた
....
ジーニー
最後の言葉しか
記憶できないきみに
語りかける言葉は
コスモスへの波動となり
私のカオスを整理する
だが
きみの実像は
何もない
ないのにあると感じるのは
原子の世界 ....
まだ無名の星に
光が差しはじめた頃
静寂な空気の語りと
無重力の宇宙の波動は
無音を破ろうとして
互いに感覚の符号を送り続け
やがて瑠璃色となった惑星に
言葉を招き入れた
人間たちは歓 ....
先細りを予告する山道へ分け入る
このまま進むと人生すら終わるかもしれぬというのに
愛車のアクセルは
足がペダルから離れるのを許さなかった
だから言っただろう
変わらないって
助手席 ....
搔くな といわれれば 搔く
掻きまくる むしろ 血が溢れ出すまで
搔き尽くす その痒みが 痛みに変わるまで
欠くな といわれれば 欠く
欠きまくる むしろ 満たされるまで
欠き尽くす そ ....
俺か
って
嘆いて
頭を垂れたか
それとも
土下座したいのか
かつての自分勝手よ
誰に向かう
その冷えた眼の先
湧水の空
荒涼たる雲を捉えようとする矢は
己に滾る赤い涙は ....
粘土の
少し油臭くて
押せば形を変える
素直で
拘らないところが
好きで
柔らかいけど
ちょっとだけ固く
抵抗する素振りを見せて
ふにゃりと
沈む
そして
どこまでも受け容 ....
あのひとが脱皮するのを見た
鮮やか
に細く磨き上げた手
の甲
の上を走るふくよか
な血管
に見惚れた
美しさ
が屈託なく笑う声
に蹴散らされ
刹那
するり
と剥けた
....