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水のせせらぎのかぼそく落ちてゆく音の
さらさらとそよぐ 細い川が立っている
あるいは川面に映る 黒髪のなびく樹木の体幹
水面を揺らす風の冷ややかさでつるりと象られた
細ながい球 ....
あなたのせいという
急速な風に吹かれて
青葉がつぎつぎと落ちるように
暦が落ちてゆきました


あなたのせいという
見えない伝書鳩が
ひと息いれる暇もなく
夏の星座の下を行き交いまし ....
{引用=
静止したレースのカーテンが夕陽をたたえて、切りとられた金色に
染まっているこの寂しさは、切りそろえられて強調されたおかっぱ
のうなじ、森の小径で縫うようにうつろう黄色いニ匹の蝶々、また ....
{引用=
いずれ途切れてしまうようなことからは、

直視、をこばんでいる、埃っぽい部屋のなかで、

ガレキのように積みあげられてゆく、粗末なボトルシップ、

木製の机のうえの、白いコーヒ ....


赤トンボたちが
飛行機のルーツのように飛行している
一日ごとに冷たくなる風が
透明に流れている青空の清れつさと
黄いろい木々の退廃を同時に包含している
秋の午後
パズルのピー ....
夕暮れどき
一日の仕事を終え
石段を弾むようにかけおりて
家路へと急ぐ、うしろ髪を簡素にたばねた初老の少女
時刻を告げるためのモノラルのスピーカーが
懐かしい音楽の一節で
夕暮れのあたり一 ....
なにも書かれていない
紙の上から立ちのぼる
青白い砂漠
その雪原のただなかで
花にも瞼があることを教えてくれた人が
透明なグランドピアノを弾いてくれる
その滑らかな指のうごきで
雪のよう ....
いつも気になっていたのは
君の鼓動、
タイムリミットのある
運命みたいに
乱ざつに履きかえた内靴と外靴
しろくおもみのないものが
花びらの速度で降りつづける夜
水平線の見える
駐車場へ ....


太陽が冷たい大気をとおして
八角形にかくばっている
冬の朝
道路は人びとのいとなみに活気づいている
みなの吐くしろい息が揺れている


むこうの馬小屋のひらかれた窓から
茶色 ....
過ぎていった季節を常夜灯のように思う
わたしは揺り椅子の二つの脚に停留の錨を下ろし
アンテナの代わりに
机のうえの海に花瓶と丈高い花を置いて
自分のなかの未知なる惑星を探りだす
(わたしは丈 ....
白島真さんの本田憲嵩さんおすすめリスト(10)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ダフネー- 本田憲嵩自由詩717-6-16
あなたのせいという- 本田憲嵩自由詩18+*17-3-2
陽だまり- 本田憲嵩自由詩12+*17-2-22
ボトルシップ(short_ver.2)- 本田憲嵩自由詩3*17-2-14
- 本田憲嵩自由詩16*17-1-25
夕暮れ- 本田憲嵩自由詩917-1-20
氷結- 本田憲嵩自由詩1317-1-15
融解- 本田憲嵩自由詩717-1-6
冬のしっぽ- 本田憲嵩自由詩5*17-1-5
星星- 本田憲嵩自由詩617-1-3

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