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母音がうつむいて部屋に籠る
空はもう投げ出された孤児となる
白い鴉の群れ

消費期限の過ぎた救命用具の欠伸が聴こえる
LP盤のレコードが針を探して
書きかけのままの日記帳

   ....
ある日
歩いて近くの図書館に行った
詩集を一冊取り出して
椅子に腰掛けて
読みだした
十五分もたたずに
なんだか瞼が重くなってきて
あれれ
ふんわり
文字が
二重三重に揺ら ....
あなたが両手で抱えている苦しみは
陽炎の中で揺れている紫陽花なのでしょうか
それとも
遥か遠くに見える積乱雲なのでしょうか

小さな水たまりに落ちた
一滴の言葉が一面に広がり
底なし ....
紫色した小さな幸せ
どこにでも咲いている可憐な幸せ
嫉妬に狂わされるのは
あなたが娘のように可愛過ぎたから

花びらがいくつも咲いて
あなたはブーケとなるでしょう
すみれは
 ....
肺の中に巣食った僕の三つの驚きは
実は月の雫なのだと
いつの間にか飲み込んでしまった涙の欠片は
あなたから遠いところのノクターンの苦さ
これから先もいくつ回るだろうと思えば
月は微笑んで ....
六つの舞曲があなたから贈られ
時を奏でる精霊に妬まれた
愛を歌う神話に戻ったような物語が
いま回転盤の針を震わせて
狂おしくヴァイオリンの音色とともに

目覚めると
珈琲の飲みかけのカッ ....
今朝サンドイッチを食べていたときまでは
確かに僕は僕のものでしかなかったろう
いまこの個体は他人の手で弄られ
僕の不確かさを探している
血小板よりも小さくなった未来は
ぼんやりとした瞼の ....
繋がりのない低音の言葉ばかりだが
それでも今日は落ち着いて聞いていられる
これはあなたの心の交響詩なのだから
いくつもの楽器が奏でるように
あなたの感情はいくつもの思い出の多重奏
おい
 ....
あなたが怯えていた八つの音符で紡がれた
そこにしかない織物は
夜の冷たい川でなんども染められた幻想の世界
そして聴こえてくる九つめの誘惑の叫び
異端の絵画に連れ去られていく眩暈を覚えな ....
街は揺れているだろう
茜色の飛沫と共に
ひとつ両手で掬ってみれば
紫陽花のように
移ろいでゆく陽炎
瞳に映る乱舞に
惑わされ
それでも飛び散る
飛沫は
明日を運んでくる

 ....
制御のない朝の起動
太陽はいつまでも膨らみ
乱雑な鳥の鳴き声に光は拡散していく
二つの皿の擦れる音が
寝ぼけ眼の時間を砕き割り
名のない闘牛を歓声の輪の中に運ぶ

朝はこうして夜 ....
とっくに終わったよと
あきれ顔で南の国に言われそうだが
待ちに待った開花だ
長かった冬に別れを告げる合図だ

こんにちは
思い出を咲かせる
友よ
光りが僕の身体を切り取り地面に張り付ける
重力に引っ張られ立ち上がることはない
そこにいなさいと蟻が行進する

夕日が沈み影が消えてしまって
もうそこには僕はいない
缶蹴りの音だけは
 ....
失われた回帰線(そこは闇となって届かず
赤ん坊の泣き声だけが今でも響き
菜の花が一面に咲いて揺れる高原の陽炎
詩となる前の無数の言葉の散らばりがあって
繋げることがままならない僕がいる ....
都会の中で泳いでいる
君たちと呼んでいいか は
多分睨むに違いない ひとたち
紅い鱗がまた一欠けら剥がされて沈む

ムラの中で流されたままで
僕ですよと発言してみる が
関係ない ....
これからわたしはあなたを語るため
刻んでいこうと思う
最後の詩を
わたしの残された細胞に

おそらく書ききれずになるに違いないが
ごめんなさい
記憶は右貢の上の余白に

めくる指 ....
こっくりとした夜の静けさに
ルノアールはおどけて傘をさしてくれたかもしれない
不思議と書いてみる静寂な闇
完全な無は同時に底のない落とし穴
だからだろうか
誘われるように足が動く
見えないのでなくあらゆるものの内包
差し出された孤独が
標のない道を彷徨い途方 ....
母音がうつむいて部屋に籠る
空はもう投げ出された孤児となる
白い鴉の群れ
もの言わぬ時間が
周りの壁を白く塗っていく
それから
道も
樹々さえも
ただ空は青いままだ

あとひとつ
一冊の詩集がそのままにして
紅葉の森を過ぎていくと
ささやかな秋の風の音さえも
白い雲の果てに枯れ落ちていった気がした
また訪れるあの人へ
遠くなってしまったあの人の温もり
忘却の彼方から
舞い降りる晴れ渡る声
 ....
睡眠ぐ城に通って
かれこれ数十年になろうとしているが
欲望の肥満体質はいっこうに変わらないようだ
むしゃ修行も必要とやってはみるが
腹の虫はなかなか剣に収まらず
相手に具の音も出ない ....
思い描いていた三次元曲線だったが
慎重さが足りなかったせいで
空気の抜けていく風船になっていく
やはり僕にとって未来は平面でしかなかったようだ
いやもしかしたら
点でもなく零への回帰線と ....
        

椅子取りゲームに負けた冬が
白い涙たくさんこぼしてわめいている
おうちはどこ
おかあさんどこいった
おとうさんどこにもいない

ふきのとうが
可哀想にと探してくれ ....
音のない電話が置かれて
わたしはそこにはいなかった

涙がこぼれそうな音楽が流れて
あてのない悲しみはもうそこではない気がした

楽譜が全く読めないわたしは
楽器に触れても音を奏でること ....
冬の群れが私を襲い
迷い込んだ高熱の森で誰かを叫ぶ
私の足腰の筋肉は溶けて
歩く音は電池の切れかけた時計
そして
この時だけは合法と見なされる白い粉を
何度も体内に注入する
四角い部 ....
文章の欠片が部屋の隅で笑う
僕の脳内で言葉に白髪が生えてきて
杖のない単語がよく転んで痛がってしまう

今日は元旦
「あ」から始める餅つき
「け」「ま」りで祝う祈願成就と健康第一
「 ....
瓢箪から駒でなく
駱駝の瘤に乗った一等星
此処は
ソロモンの王冠
もう一度聞く 此処は
十二時の馬車がやって来て
瞼の億で歌い出すもうひとつの物語
此処は
仮面舞踏会の扇
聞 ....
東京にゴジラが現れたとしても
北の国ではいつものように雪が深々と降る
明日は猛烈な突風も予想されるからと
二日分の食料品を備蓄して下さいと報道されたが
それは遠くアルゼンチン沖のせいなのだ ....
 お伽話



銀河の向こうに君がいた
禁断の実は渦の中
迷い込んだら逃げ出せない
小さな小さな恋のお話しで瞼が閉じて
朝の雫が落ちたとき
ぶらんこに揺れながら笑う君



 ....
minomiさんの乱太郎さんおすすめリスト(32)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
空へ- 乱太郎自由詩717-11-19
ある日- 乱太郎自由詩8*17-8-19
七月の夕立- 乱太郎自由詩6*17-7-30
すみれ- 乱太郎自由詩7*17-7-22
月の雫- 乱太郎自由詩10*17-7-17
パヴァーヌ- 乱太郎自由詩5*17-7-6
探し物- 乱太郎自由詩10*17-6-27
交響詩- 乱太郎自由詩11*17-6-24
森の奥で- 乱太郎自由詩8*17-6-20
飛沫- 乱太郎自由詩12*17-6-18
朝と夜- 乱太郎自由詩13*17-6-9
北の桜- 乱太郎自由詩12*17-5-6
- 乱太郎自由詩10*17-4-23
失われた回帰線- 乱太郎自由詩6*17-4-4
俎板の鯉- 乱太郎自由詩7*17-4-1
余白に- 乱太郎自由詩8*17-3-30
貴婦人- 乱太郎自由詩3*17-3-22
- 乱太郎自由詩14*17-3-21
- 乱太郎自由詩5*17-3-19
やがて- 乱太郎自由詩3*17-3-17
丘の上- 乱太郎自由詩7*17-3-15
家老ではありませんが- 乱太郎自由詩9*17-3-12
明日は- 乱太郎自由詩4*17-3-10
探し物- 乱太郎自由詩5*17-3-8
無音の部屋- 乱太郎自由詩9*17-2-22
風邪- 乱太郎自由詩10*17-2-4
あけまして- 乱太郎自由詩10*17-1-5
夜風に惹かれて- 乱太郎自由詩4*16-12-16
足跡- 乱太郎自由詩8*16-11-14
お伽話ほか一篇- 乱太郎自由詩6*16-10-17

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