すべてのおすすめ
夏は過ごしやすい
冬は雪下ろしが大変
観光客が多い
一度行くと魅力にはまり
何度も来てしまう
大きな優しさで
観光客を迎え入れる
大自然に誘われる
白いイメージの強い北海道 ....
光りが僕の身体を切り取り地面に張り付ける
重力に引っ張られ立ち上がることはない
そこにいなさいと蟻が行進する
夕日が沈み影が消えてしまって
もうそこには僕はいない
缶蹴りの音だけは
....
あなたの傘は
少し小さく
私は少し
はみ出してしまう
私は誰かの
傘を求める
心地よい
雨音を聞く
あなたの傘は
同じ角度で
いつでも
そこに咲いている
私は ....
私の決め手
それは
遺伝子を残したいと
思えるかどうか、かな
結婚を
うだうだ悩む後輩の
話を聞いた彼女の一言
そんなこと
考えたこともなかったな
なにしろ
愛読書が太宰治 ....
失われた回帰線(そこは闇となって届かず
赤ん坊の泣き声だけが今でも響き
菜の花が一面に咲いて揺れる高原の陽炎
詩となる前の無数の言葉の散らばりがあって
繋げることがままならない僕がいる ....
都会の中で泳いでいる
君たちと呼んでいいか は
多分睨むに違いない ひとたち
紅い鱗がまた一欠けら剥がされて沈む
ムラの中で流されたままで
僕ですよと発言してみる が
関係ない ....
これからわたしはあなたを語るため
刻んでいこうと思う
最後の詩を
わたしの残された細胞に
おそらく書ききれずになるに違いないが
ごめんなさい
記憶は右貢の上の余白に
めくる指 ....
ふりをしていた
やさしいふり
あたたかいふり
幸せなふり
がんばってるふり
愛してるふり
それから
もう
私の隣に誰がいても
動かされることは
たぶん
ない
....
ゴミ捨て場に群がるカラス
性質の悪い笑みを浮かべる人間よりは 美しい
羽根が 七色に染まる度 描く曲線は
一度 空へと舞いあがり
再び 地上に 降り注ぐ
天使の梯子のよう
細や ....
世の中の気に入ったものすべてを集めることはできないが
ときおり巡り合う素敵な情景や言葉を僕の何処かにスケッチしておこう
ときにはロボットが生産ラインで溶接した鉄板でできたちいさな車で風 ....
よるになると
ぴい、と音が鳴る
この部屋のどこからか
耳を澄ませる
出どころを
さがしあてようと
眼をつむり
耳だけになってみる
飼ったはずはない
けれどそれは
とりのこえに似てい ....
――ミルカ ヌカルミ
そんな回文が虻のように掠めた時
女のなにくわぬ横顔は真新しい日記帳で
天道虫だけが慌てて這いまわっていた
とても大切なものを落としてしまい
それがなにかも思い出せ ....
感じ悪いって思ってる
たとえば
嘘をついてしがみつくとか
取り乱して吠えさかるとか
感じ悪いって思っている
自分のことを護ることしか
考えていない自分とか
帰る場所がないのは ....
こっくりとした夜の静けさに
ルノアールはおどけて傘をさしてくれたかもしれない
不思議と書いてみる静寂な闇
完全な無は同時に底のない落とし穴
だからだろうか
誘われるように足が動く
見えないのでなくあらゆるものの内包
差し出された孤独が
標のない道を彷徨い途方 ....
夜は絶え間なくやって来るこころの襞に
おとことおんなは何時もばらばらで
それは覚束ない幼児のあゆみのようで
ときに滑稽を誘うものかもしれない
きのうの残骸からきょうが算出されるわけでも ....
その場しのぎでかけたほうきのあとが
際だたせているホコリの存在
誰もいない教室で
立ち尽くしているあの子が
完璧な掃除をめざすことは
もうない
ちょうどいい汚れを残した部屋で
綺 ....
母音がうつむいて部屋に籠る
空はもう投げ出された孤児となる
白い鴉の群れ
{引用=
朝がほどけると、水面に横たわり あなたは
かつて長く伸ばしていた
灰色の髪の、その先端から
魚を、逃がす
皮膚は、透きとおって ただ
受容する 水の、なまぬるい温度だけを
....
お洒落な美術館
親友の美術展が行われていて
招待されてやってきた
風景画が好きなのだろう
誰の心にもある風景
親友は子供の頃から
絵が大好きで
見たり書いたりしていた
私は ....
もの言わぬ時間が
周りの壁を白く塗っていく
それから
道も
樹々さえも
ただ空は青いままだ
あとひとつ
一冊の詩集がそのままにして
言いたいことも言えぬまま
蓋を閉じた父の棺。
最後に触れた手に一輪の花を握らせて
また会いましょうね。と
母は呼びかけた。
悲しみの中
いつもと変わらぬリズムで時刻を告げる
柱時 ....
今日はぴかぴかに舗装されているから、うつぶせのままで背中の上をどんどん歩いていっていいから。夏になればまた雲が次々とやってきて積み重なるから、ふわふわと背中のほうからすこしあたたかくなる。街路樹の根っ ....
あの陽だまりに置き忘れられた深い裂け目
おれの胃袋はもう紫色の朝へ停泊していた
窓から女が見えた裸のまま
微笑んでいた カメラの前みたいに
ブラインドが降りるまでの一瞬だった
おれはその一瞬 ....
紅葉の森を過ぎていくと
ささやかな秋の風の音さえも
白い雲の果てに枯れ落ちていった気がした
また訪れるあの人へ
遠くなってしまったあの人の温もり
忘却の彼方から
舞い降りる晴れ渡る声
....
こどもたちは みな せなかをまるめて
せなかをまるめていないのは みみずのこどもくらいです
どのこも せなかをまるめて 卵やおなかの中で すごします
拡張現実を手に入れた にんげんのこどもも
....
白い光が辺りを照らし
気分は少し救われている
明日の仕事をやり残したまま
うたた寝をする
こころは底の底に落ちてゆく
無理やりに身を起こし
コーヒーをすすり目を覚ます
静まり返った闇 ....
睡眠ぐ城に通って
かれこれ数十年になろうとしているが
欲望の肥満体質はいっこうに変わらないようだ
むしゃ修行も必要とやってはみるが
腹の虫はなかなか剣に収まらず
相手に具の音も出ない ....
こわいね
津波もこわいけど
ひとが
こわいね
一定量の空気を
うばいあうような
日々が
去年
母が逝った
でもまだ
郵便がくるんだ
転送されて
デパートの
スプリ ....
思い描いていた三次元曲線だったが
慎重さが足りなかったせいで
空気の抜けていく風船になっていく
やはり僕にとって未来は平面でしかなかったようだ
いやもしかしたら
点でもなく零への回帰線と ....
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