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一章 血
黒人の肌からは
真夏の匂いがする
この血はどこから来たのか
それを辿ることができるのは
魂の道筋があるから
来るべき主語の行方があるから
主語のない国へ僕は行こう
....
・祝祭
白い犬がいる。犬は座ったままじっとぼくを見ている。静かな観察だ。
()
ぼくはそれを打ち間違える。そっと立ち上がって、と書かれる。静かな観察は静かな祝祭に変わる。
(白い犬がい ....
木の上で生活し始めてからもう三日も経つというのに、兵士たちの姿は消えない。消えた、と思ったときには、また別のところから、姿を見せている。鳥たちの羽ばたき、猿の鳴き声のリズム。私の走りはちょうど重なる。 ....