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とうとう一度だって
私を嫌いだと
言ってくれなかった君に
私の一部はまぎれもなく
深く、君由来だという事実の
どうしようもない申し訳なさに
あの子が初潮を迎えたときに、
心の底か ....
ゆるして
あたまのうしろの
いちばんやわこいところを
食べてしまったこと
知らない間に
食いしばるのが癖になっていた私の歯は
削れてひどく不格好になり
喋れば口内を傷つける
春 ....
不意に、もうひとり帰ってくる気がする
母は家にいて
私も家にいて
弟が帰ってきて
もうひとり弟が帰ってきて
それから父親が帰ってきて
机に張り付いて私は耳を澄ま ....