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夜が割れ
なまあたたかい風が降り
明日の朝を見せ
ふたたび閉じる
標は暗く
音は見え 川は見えず
小さな鉄の声が灯り
水に映る夜を扇ぐ
三角の紙の群れの ....
四月の水
五月の水
油 月の輪
空を刺す虹
指先のひと粒
星おおう粒
氷と枝 雪と枝
はざま はざま
空のぼる空
あなたは手
あなたは砂
あなたは ....
冬山にかがやく
家の幽霊
影の十字
重なりの剣
窓ごとに異なる時間が溢れ
こぼれるものは湖に向かう
灯に照らされるたび
消えてゆく波
はざまの羽音
....
何か小さな祝いの言葉が
ずっと背中に降りつづいている
鉛の泡
砕ける冷たさ
夜が夜を着ては脱ぎ
雪を渡る光を見ている
そそぎ そそがれ
そよぐうつろ
....
骨のような岩壁をくり抜き
むらさきの斎場が作られていた
川底には黒い鉱がつづき
岩を二重に映していた
うれしさはすぐに悲しさになり
頭のなかには茎がひろが ....
夜の晴れ間
煙る光
径を曲がり
打ち寄せる白
壁と窓にしか居ぬ波が
角から角を潤してゆく
糸くずの廻転
ただ最初から崩れたかたまり
立ち止まる
また ....