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ちいさな公園で
ブランコをこいでいる
あれはともだち
ほうりだされたカバン
あそびすり切れたクツ
おりおりのかわいい花
うつりかわる葉のいろ
近くなる遠くなる空
すりむいて熱い ....
たましいが
夜に錆びたぶらんこのように鳴っている
どこへいったの ねぇ わたしの半身たち
あざの浮かんだ あなた
詩を書くのがじょうずだった あなた
半身がふたり 抜け落ちた わたし ....
冬のあいだは閉じていた即売所に
春の野菜が並ぶのをみにいった
空に白い梅の花が
燃え上がるように咲いている
ハンチング帽をかぶった老人が杖をつきながら
老犬とゆったりと歩いていた
....
いつのまにか名前を忘れていて
出席番号だけになった
常緑樹はかわらなくて
花のにおいはかけている
校舎と門
息をするのがむずかしいような
薄い空だけ
水に飽和して粘液のような砂糖 ....
わたしが家事をしながら
ことばをちょこちょこ書いてるあいだ
きみは
外でるんるんはたらいて
手作りべんとうがつがつ食べる
うちに帰ればむしゃむしゃゴハン
つーんと薄荷のお風呂に入り
....