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夏の夕暮れに躓いた
石ころがあったわけじゃない
何もないからこそ躓いた
すぐに起き上がったが
膝を痛めた
夕焼けが眩しかったの ....
ちいさな蕎麦屋の片隅で
夏の忘れ物が色褪せていく
ときには本を片手に行儀悪く
あるいは昼間から日本酒を肴に
天ざるふたつを頼みながら
....
ぱちん、ぱちんと
爪を切る
飛んだ爪を拾ってみたら
さびしさだった
腰をかがめ
切りにくくなった
足の爪を切る
....
あしたの天気予報をテレビで眺め
ちゃぶ台のうえのビニール袋から
隠元をとってはへたをとり
ざるに放り投げてゆく
あしたは夕方雨が降るらしい
隠元は ....
夕餉が終わると皿を洗い
油や醤油で汚れた台所を
布巾でぬぐう
鍋も皿ももとの位置に戻し
静けさと落ち着きを取り戻す
風呂を ....
こんなひは
ひんやりとした床で
寝たふりをするより
とったばかりのいんげんと
てんぷら油の格闘に
歓声をあげてみたり
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