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人の営みの狭間を縫って
悠久の経を信条とした河に
明かりの灯った小さな神輿が流れ
そのひとつひとつに
幼子が蹲っている
世界の何たるかを知らず
それでこそそべてを悟ったような面持ちで
も ....
クリスタルの薄い壁が
行く先を果てしなく延長させる
感情を腹に宿した目のない純白の生き物が
吐息と共にあらゆる喜怒哀楽を吐き出すから
辺りには雪のように言葉が舞い
その中に、かつての恋人に ....
あなたの表情が澄み渡るような青天から
薄暮れの黄色へと変遷する様を
手の平から零れ落ちる砂を見るような非力さで見届け
伏せた瞼に抱き留めていた
もし心臓の代わりに
胸の内に地球が瞬いてい ....
透明な柵の中を回り続ける鼠には
幻覚的な麻酔の恍惚が必要
生態系を逸脱した個体を繋ぐ夢は
遥かなる進化の虹を跨ぐのだろうか
水を与えれば開く鑑賞物のように
出窓に愛でられること自体が存在 ....
高く 高く
昇っていく
あなたが光体であるほどに
私は透過する重力となろう
相容れない時間軸が
現在(いま)ここで触れ合うなら
蜥蜴は月に首をもたげ
大地を揺らす露草はその皮膚を潤 ....
球体は弾けた
その飛散した一粒一粒の種子が
時代をあまねく代弁するかのように
ある方向へと向かって流れ出す
思い出して欲しい
白い腕が守ろうとしていたのは何だったのか
幸運の女神は目を ....
ひとつの微笑みを基点として
暗喩の肖像をなぞるように
閉じた眼窩に灯す
瞬きをするより速く
私はあなたの核心に吸い込まれていった
すべての史生の機軸を発火前に戻してしまうことを
あなた ....
かなしい雨
細糸の雫を見つめる双生の水晶体
いつか止むのだろうか
あの鈴の音が空へ駆け上がったなら
乾きは喉に集約され
無上の必然を照らし出す
許されること その贖罪を見据えなければ
無 ....
惜しむほどには熟れていなかった
玉虫色の果実は真空の夏に閉じ込められている
暗い闇を掘り進めた結果が
闇そのものに対する妥協
肩に置かれた白骨のカルマを
慰めに思う程 足場を失っていた
....
青空から降りてきた一本の糸を
黄金色に変えたのはあなたなのに
なぜ私は全身に巻き付けてしまったのだろう
最大公約数の為の微笑み
没我に失う世界
あらゆる世界
俯瞰すれば夢のごと
....
価値を洗う
匿われた秘め事に添えられて
命の枝葉を派生させてきた
夜の露の中でしか満たされない静寂を
静かに土中へと引き寄せる
裏切りの奥を問い詰めれば
逃れられない渇望と
分か ....
あなたの腕と私の脚が
幾何学的に重なって
ミルフィーユ様態の発熱体となる
右腕の先から頭を伸ばせば
男の背中ごし 悠々と輝る月が見えた
まるでこの土から派生して生い茂った多肉植物のよう
....
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