戸棚のなかには古く硬くなりはじめた
フランスパンに安いチリ産のワイン
書きかけの手紙はすでに発酵し始め
こいつはなんになる? 味噌でも醤油でも
ない、カース・マルツ? 冴えないな

フォル ....
薄く、もやのかかる、まだ暗い午前5時。
隣に眠る彼を起こさぬよう、そっと身体を起こして
冷たい空気に、震える
毛布の上に広げた袢纏を引き寄せて
熱い身体から熱が逃げないように
忙しなく羽織り ....
まちのくまは
夕ぐれどき
列をつくって歩きだす

やあやあきょうはまた
ずい分まちが赤いですな
いやいやわたしには
いくぶん青く見えますが
そんなことを話しながら

くまたちは ....
森の中の開けた場所
鬱蒼と繁る樹々の狭間
日の光が注ぐ
その中心に
湖が鎮座している

石を投げる
水面に波紋が広がる
風の音が聞こえる
樹々がさざめく
鳥の声が聞こえる
鹿の足 ....
おんなの額の眉間のあたりに

ワルプルギスの夜は訪れ

黒い瞳は熱をおびて

銀食器のように冷たく暗く輝いている

あるいは柱の様な静けさの中には

緊張の糸と欲望の動脈が絡まり
 ....
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